おかちゃん

ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスターのおかちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、ひなびた南洋🌴の海岸が映る。
「アッ、Montego Bayの海だ…」ホッコリ長閑な気持ちを抱く。
だが、次の瞬間!背筋がピンと張る😲😨「俺達のMessageは、半端じゃないぜ‼️」マイナー調Melodyと重々しいBass音が、浮わついた音楽シーンに容赦なくアンチ・テーゼ💥を突き付ける✊。
Third WorldやPeter Tosh位はまだまだBand soundsがこなれてないが、Bob Marleyになるとピシッと雰囲気が張り積める。まるで政治集会か宗教集会のよう。Live映画にしてLive映画であらず。Jamaica当時の街並や風俗を映し音楽とシンクロさせる事で素晴らしい記録映画にもなっているし、narrationはこの音楽の真髄を、理解して貰うように上手く誘導していく👍️👏👏

【野外Liveの撮り方&あり方】
・他の方が指摘している、映像が悪く、音質も良くない…。てか、'79年撮影時期とJamaicaという経済発展前の映像&機材、そしてLastman達の演出(一部欧米人が関わっているようだが)を考慮するなら、この位は許容範囲だろう('70年頃のLive映像…例えばBoweのLiveを考えればこれ位は…。貴方達、近頃の平穏無事なLiveに去勢されてない?🤭)。映像として考えれば、純粋なLive記録映画でなく、カメラ位置も極限られた角度しかない。オマケに演奏途中からnarrationが入って来る始末。その方が、彼らのLiveをより直接的に理解出来るだろうという演出。
・だからと言って、本質を見失うのは良くない。そういう些細な事柄より、彼らの虐げられた人種の怒りや解放を歌い上げ、そこに集う聴衆のアナーキーさに心刺されないかい?Bobの汗💦まみれの歌声に何かを感じないかい?Ganjaで精神を解放し、菜食主義で自給自足を目指す。巷に流通するモノは、Babylonに毒されていると主張する彼ら。この流れが、現在のミニマリズム?に繋がってくると思わないかい?
・何よりも、欧米のありふれた野外Liveには無い、彼らの手作り音楽祭典の様子が良く滲み出ている。逆光やノイズ音なんかより音の熱を聴いてくれ❗️踊り廻る観客の足元は泥だらけだが、愉しげにステップを踏む。かつてROCK野外Liveもこうであった事を思い出して欲しい‼️いつの頃か、手作り感が薄れ昨今はアリーナ・ライブがそのまま野外化しただけのモノになっている😭💦💦若い方々には、この雰囲気を是非感じとって欲しい。これが本物のLiveだ‼️💥
(※近々、4K-restore公開予定のMonterey映画に繋がりますけどね。)

【Montego Bay】
この湾は、Jamaicaでも指折りの美しい海岸です('92年に現地訪問した時は高級リゾート🌴化していたが)。そこを音楽祭としてLastman達が集う。美しい風景なのに、首都Kingstonのghettoは無残だ。ゴミ集積場に山羊や野生動物達が巣くう…。何と言う対極的な図なんだ。彼らの現実は、Narraterも作品内で語るが「曲が売れるか、殺れちまうしかないんだ…」。だからBob が唄う'Get up, stand up! '

【第3世界からの影響】
・作品内で、重々しいReggae音楽をバックに長閑なオンボロバスが海岸線を走る🚙💨映像が流れる映像がある。まるで昔の日本ロードムービーのようだが、実はこのモチーフも当時Jamaica文化が第3国輸入の走りで様々な分野に知れわたり、日本の映画監督達がパクったという話を聞いた経験がある。その話では、映像のリアルが強調されていた。つまり「映画はリアルを越えるのは至難の技で、突き詰めるとドキュメントには敵わない…」云々と言う発言をしていた。
・もう1点。サウンドシステムが映しだされる。路上でデッカイStereo鳴らし、自分達の声でリズムに合わせ喋ったり、お気に入りのレコードを売る事をいう。
そう、つまり今の「クラブDJ 」の原型が、ここにある。これも、普通の庶民がありふれた道具を手作りで作り上げた、リアルなのだ‼️


そして'80年代に入ると、結局ReggaeもJamaicaも経済発展の恩恵を受けsophisticateされてしまうのだが、ここでBobが提議した問題は何も解決していない…。
映画も音楽も、全て無難になってしまって…😢