家族についてしっくりする言葉が見つからないでいたなかで感じた脅迫概念やコンプレックスのようなものをやんわり打ち砕きゆらぎやいびつさを特別視することなく肯定してくれるような、題名で予感した通り靱やかな作品だった。
その一つの要素となるのが独特なショットで、傍観したり接近したり、人物不在という余白を与えたり愛でるような眼差しを向けたりと、キャラクターの誰の視点でもないけれど意思を持った視点が作品の軸になっていたのかなと思う。
それで鑑賞中ずいぶん動揺もさせられ、寝顔を捉え日が暮れるまで時が経過するシーンなど心臓がぎゅんとなる箇所が何度かあった。うまくは言えないけど今年のなかで重要な作品の一つになった。
あと、まずやはり「義父養父」という言葉が素晴らしすぎる。辞典の家庭円満や一家団欒などの熟語に並べて追記できませんかね
