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緋牡丹博徒 お竜参上のtorisanのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)
3.5
映画は監督のもの、TVドラマは脚本家のもの、舞台は役者のもの、という話を聞いたことがあります。映画の場合、画面作り、そして編集こそが作品のクオリティを決定づける「料理」にあたるから、映画は監督のものなんだと。で、何が言いたいかというと、東映仁侠映画は、監督のものよりも、寧ろ役者のものだなと。勿論監督の色が無いとは言わないけれど。東映仁侠モノは、もうお話は形式美で、役者の顔、所作、そして一本に一つ二つ、痺れる台詞とシーンがあって、ああ、観てよかったなってなる。歌舞伎なんかに近い、舞台的なものなんだなと。ヨッ!待ってました!みたいな。異様にカッコいい佇まいと顔つきの菅原文太と、敵方ヤクザの不条理に顔で応える藤純子の美しさを見て、新年に染み染み思ったのでした。
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