昭和10年っていう時代設定がとてもよい。
どこか戦争が始まる前のどろどろとした空気が感じられる。
青年たちの喧嘩が牧歌的にさえ見える、ラストの戒厳令。
軍国主義の波が押し寄せて、そしていろんな要因が重なって、キロクは北一輝のもとへと走っていく。
この映画に出てくる青年たちを見ていると、戦争に傾倒していく若者がたくさんいたってのも頷ける。
みんなあまりにまっすぐで、素直で、まじめなんだもの。
喫茶店のシーンは、鈴木清順の味がすごくした。どこか異世界のような、妖艶さと孤独さを持ち合わせたファンタジックなシーン。
兵隊さん?たちが雪道を走ってるショット、むちゃかっこよかった。
あと、音楽がずっとシェルブールだった。