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落第はしたけれどのchiyoのレビュー・感想・評価

落第はしたけれど(1930年製作の映画)
3.5
2022/3/8
卒業試験を間近に控えた大学生たち。学ランの下に着るワイシャツの背中に答えを書くという斬新なカンニング方法で、それだけの労力を使うなら真面目に勉強した方が良いのでは?と思える。そして、迎えた卒業試験の結果発表。大半が卒業を迎える中、落第したカンニング組の5人。この落第生と及第生の温度感が辛辣、でも演出はとてもコミカル。ただ、当時はかなりの就職難だったらしく、大学を卒業しても就職先が決まらず、新学期が始まってからは落第生の方が青春を謳歌している皮肉。田中絹代演じる喫茶店の娘が健気で、斎藤達雄演じる学生とお似合いのカップル。また、笠智衆が実年齢に近い学生を演じているのが新鮮で、斎藤達雄と青木富夫の二人のシーンは「突貫小僧」を思い出したりも。
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