時代劇への愛が溢れたあったかいコメディ
話題の作品をやっと観ました。
時代劇が歩んできた歴史を誇るような、歴代の切られ役を讃えるような、幕末に必死に生きた人々を偲ぶような、そんな時代劇への愛が詰まったいい映画でした…。
完全なコメディを想像していたので、幕末の長州と会津の因縁を描くとは誠に恐れ入りました。
福島県人の嫌いな都道府県１位は山口県。約150年前の戊辰戦争の禍根は簡単に断てるものではなく、朝敵の汚名を着せられ悲惨な末路を辿った歴史を知った時の高坂の胸の内を想像して、もう居た堪れなく涙が流れました。山口さんの無骨で実直な会津藩士役も板についていて、惹き込まれました。
それにしても山口馬木也さん、冨家ノリマサさん、峰蘭太郎さん、皆さん渋くていい役者さんですねぇ。
時代劇の殺陣シーンで手に汗握って画面に釘付けになったのも久しぶりです。
「江戸の時代も遠くなりました。」
激動の時を必至に生きた人々に誇れる時代を作れているだろうかと、思わず手を合わせてしまいながら、しっかり笑わせてもらいました。
