マーフィー

正しいアイコラの作り方のマーフィーのレビュー・感想・評価

正しいアイコラの作り方(2024年製作の映画)
4.4
2024/03/20鑑賞。


「正しい髙石あかりの使い方」
それだけで点数が爆上がりした映画。


髙石あかり無双。
まず内容云々より髙石あかりファンは絶対見た方がいい。
内容云々よりだ。内容云々より。
初登場から圧倒的な存在感を見せて、
コミカルさとシリアスさを縦横無尽に行ったり来たりする演技力、
主演じゃないのに全てを持っていく。
持ち味存分に発揮してる。
オフビートコメディに髙石あかりは最強の組み合わせ。

そしてエンドクレジットでトメですよ。カッコ良すぎる。
もはや髙石あかりのための映画。
今年の個人的助演女優賞。

「先輩の...先輩の......インキンタムシっ!!」
「唐突にJASRACに喧嘩売って...」
って髙石あかりに言わせる映画はなかなかない...って人いるかもしれんけど、
これは髙石あかりの幅の広さだからこそ成立するセリフだと思う。



内容としては色んな寒いところがあるけど
ネット小説が原作と知ったら全て納得できる。
ネット小説とかラノベとか読んだことなくて、ラノベ原作のアニメとか見たことある程度ですが、
そんな私でも持ってるラノベのステレオタイプみたいなのがバリバリ出てくる。
ラブコメ漫画とかラノベ原作のアニメとかによくある設定だらけ。
むしろここまでしっかりラノベ感や青春ラブコメの空気感再現してる映画なかなかないのでは...?


冒頭からラノベ主人公らしく早口で小難しい言葉を交えながら捲し立てるけど、
めちゃくちゃ聞き取りづらくて8割頭に入ってこない。
少し進むと大したこと言ってなかったんやろなということは分かるのでよし。
このモノローグ、物語の大部分を占める要素なので致命的かなと思うんですけど、
進んでいくにつれて上達してるのかこっちが慣れたのか、
あんまり気にならんようになって内容も入ってきやすくなった。


男子校が典型的な男子校。バカみたいにあからさまな下ネタが飛び交う。寒すぎる。
極めつけは男子校の偏見の集合体みたいな
何の遠慮も恥もない脳みそちんこの月山。
「おーい三郎!ちんぽちんぽ!」とちゃうねん。
全てが寒い。こういうのもしっかりラノベっぽい。

生徒会が先生のお見合い失敗について議題にする、
文化祭にレディガガ、去年の文化祭でキャプテンアメリカのコスプレなど、、
小ボケが全部くすぐったいぐらい寒いのよ(褒め言葉


タクシーのワンカットシーン、
音や空気の止まり方がかなりすごい。
「私なんかじゃダメですか...?」でスッと全てが静かになる。
音楽で演出するのではなく、環境音と無音の違いで演出する手法がめちゃくちゃ良い。


じいちゃんとの花笠踊りのくだりはしつこすぎて面白かった。



音楽を極力排した内容だからこそ、
最後の音楽が沁みる。
126分もかけて何してんのって感じやけど、
何年も富丘三郎の人生を見ていく中で数年越しに明かされる事の顛末は、
どこかほっこりして温かい気持ちになった。
不意にそんな気持ちが来て最後にやられたなーと思った。



個人的には映画としての評価はそんなに高くはできないけど、
髙石あかりにこの舞台を用意して暴れまわらせたことがめちゃくちゃ評価できる。
絶賛有名になりつつある髙石あかりが、この幅を保ったまま大成すれば
ベイビーわるきゅーれシリーズも一生安泰だと思う。






ドルジ面白すぎるやろ
「あさひたん...」
マーフィー

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