どんQ

ジョン・レノン 失われた週末のどんQのレビュー・感想・評価

3.8
所謂失われた週末は
もう30年くらい前になるのか
映画『イマジン』の中でも
サラッと触れられてはいたけど
今作はその週末と呼ぶには
いささか長い2年ほどの期間のことを
交際相手のメイ・パンの視点から
詳述した作品

仕事も出来て
若々しくチャーミングで
人と信頼関係を結ぶことに長け
思いやりのあるいい娘
そんなメイとの関係が
ジョンにいかに実りをもたらしたか
公私にわたる充実ぶりを
自画自賛気味に語るメイ
これは一面において真実で
いや 殆ど真実なんだろう
ヨーコはイヤな女で
なんとかジョンを支配しようと
あれこれ画策して
とかなり悪女に描かれていて
それもまた真なりだろう

でも結局のところ
70年代初頭の
ジョンのカリスマ的な活躍は
ヨーコなくしてはありえず
というかむしろ
著名なポップスターをイタコにして
己の思想を流布しようとし
それに成功したのがヨーコ
というのが本当の所だろう
オノ・ヨーコはアーティストであり
エゴの塊であり
そのエゴはジョンを飲み込み
世界をも飲み込んだ
ただジョンとて利用されるだけでは
なかったはずだ

人間ジョン・レノンは
メイとの時間に幸福を感じたろうが
アーティストジョン・レノンにとって
それはどう作用したのか
ヨーコの元に帰った理由は
その辺にあるのかも
今作で仄めかされるような
怪しげなことは
その後の経緯を見ても
あまり整合性がなく
信じがたい気がするね
どんQ

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