もっちー

トラペジウムのもっちーのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.2
肯定派否定派両方の意見にめっちゃ共感出来るんだけどその上で自分は好きだった。

まずシンプルに映像作品としてのクオリティがめっちゃ高かった。総作監のけろりら先生の主張強くて好きだった。撮影技術とかも流石CloverWorksって感じ。曲も全部良いし、個人的には羊宮妃那さんの演技がとても好きだった。

内容的には主人公の周りの人間は全員自分が成り上がる為の駒、踏み台、道具としか思ってないような部分は確かに不快だけど、あそこまで極端じゃないにしても人は皆多かれ少なかれ周りの人間を打算的に見ているはず。その人間の嫌な部分を抽出して強調して描かれたようなキャラクターって感じ。その点で結構人間味のあるリアルな作品だなと感じた。
逆にアイドルになる過程とかは運良すぎるしトントン拍子過ぎるし、「そうならんやろ」って突っ込みたくなる様な展開。そこに嫌悪感覚える人が多いのもわかる。けど自分的にはそれがあったからこそ主人公は周りがより見えなくなって、自己中さに拍車がかかっていったのかなと。自分のプロデュース力のおかげとか思っちゃったのかな。そして人間は皆アイドルになりたいと思ってるし、なれる人はならなきゃいけないという妄信的な考えにまで発展して、事務所でのブチギレシーンに繋がったのかなと。そういう意味ではアイドルになる過程のあの展開も必要な展開だったのかなって。

まぁ90分に無理に収めた感もあるし、仲直り出来たとこもみんな優しすぎん…?みたいな違和感とかもあった。でも文化祭のなりたい自分の写真、撮った時にはどんな写真か見せてもらえなかったけど結局あの写真が未来に繋がってたって締め方は凄く好きだった。
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