見たー!ライブとは何か、パフォーマンスとは何かという問いが考え抜かれていてすごすぎる本当に。90分弱があっという間だった。わたしは昔から自作自演型のアーティストが好きだ。
有名なカセットテープの演出をこの目で見られて本当に満足😭サイコキラー中に機材がセットされていく様子にはだんだんまやかしが本物になっていくような臨場感があった。かっちりしたスーツが痙攣のようなダンスによってどんどん乱れていくところも、まるで社会のしがらみのなかで生きる現代人の無意識や本能の表出という感じに思えた。まさにトーキング・ヘッズというバンド名からも伺える形骸化、虚無に対する風刺というか。能の衣装に着想を得たスーツということで、能ではないけど、歌舞伎の人形振りに重なるような効果だなと思った。まあ、無意識の表出としてのダンスは西洋圏でもサロメのダンスなどに見られるようだけど。
あとティナ・ウェイマスのダンスもかなり面白くて、ずっとひざをくっつけてくねくねしてたけど、genius of loveの感想でガニ股カニ歩きになる。前者は社会から押し付けられた女の子らしさという感じがあって、後者と対照的。それをザ恋する女の子なこの曲をウィスパーボイスで歌う時にパフォーマンスするというギャップにやられる。
照明も結構面白かった。ハイコントラストのライトの時にメンバーそれぞれをクローズアップにして、メンバー紹介じみたショットを作ってみたり、温かみのあるライトを舞台上に導入して、並びあって歌う演出で一体感を示したり。あと、genius of loveのコカインでイッちゃったという歌詞の後に激しい明滅のフラッシュを入れてみたり。