プレコップ

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのプレコップのレビュー・感想・評価

4.1
2024年の長編鑑賞100本目。
3/5試写会にて

エイダの声代わりになっていたピアノが映画内で一つの指標となって、その思いを超える場面にスリルがある。

冒頭は完璧な映像表現を持っていて、海は嵐なのに美しい。作品中、ホリー・ハンターの肌はずっと白く、ドレスは黒い。このコントラストに息を呑む。

家父長制がテーマになっているが、それに最も苦悩しているのはサム・ニール演じるスチュアートに見えてくる。個人的な感情以上に周りからの目を気にする彼のプライドは、それを壊された時に暴力性に任せるしかなくなる。善悪のグラデーションを体現したジェーン・カンピオン、恐るべき演出。

それにしても、ここのところ「テルマ&ルイーズ」、「レザボア・ドッグス」、「バッド・ルーテナント」、今作とハーヴェイ・カイテル出演作のリバイバルが続いている。この時期は彼のパフォーマンスによって名作になった作品が多いことを再認識できる。
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