このレビューはネタバレを含みます
Filmarks試写会にて鑑賞。
ジェーン・カンピオン監督の作品は観たことがなかったので、試写会が当たった時点で『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を鑑賞したけど、雰囲気がとても好みで良かった。
テーマソングにもなっている『悲しみを希う心』がいかにもエイダらしくて好きだし、海辺のピアノとか、綺麗なドレスで泥濘んだ道を歩くとかの対比が絵になって素敵だった。
ただストーリーに関しては、うーん…。
エイダの衝動的な行動は観ている人をヒヤヒヤさせるなぁって思ったし、ベインズは下心ありで近寄ってきて、それで好きになってしまうエイダがよくわからなかった。
スチュアートは普通に人と向き合うのが下手くそなだけで、ちゃんと話し合っていればあんな悲惨なことにはならなかったのに。
だから私の中でスチュアートが完全な悪になりきれていなくて、もっと嫌なやつだったら良かったのになぁと思う。
あと、あんなに大切なピアノの鍵盤を外して手紙代わりにしたり、鍵盤の横におそらくフロラの父であろう人とエイダのイニシャルが刻まれていたのを見ると、エイダってめっちゃ恋愛脳だよね。
恋すると周り見えなくなってキャラ変わる人いるよね〜。ほんとそんな感じ。
『ボヴァリー夫人』のような悲劇のヒロインみたいなのちょっと苦手かもしれない。
登場人物の中で唯一感情移入できるとしたらフロラしかいなくて、自分がいかにもこういうラブストーリーが得意ではないことを再確認しましたw
ラストに関してはハッピーエンドだったので、この監督は女性を解放させるとか新しい道を歩ませるとかそういう結末が好きっぽいね。
グロい映画なんていくらでも観てきたけど、体の一部を失うシーンって私的にすごくショッキングなので演出として、やりすぎ!ってなったな。
この映画の誰にでも言えることだが、人の怒りを買うような行動は慎みましょうという良い教訓になったよ。