ヴレア

劇場版 おいしい給食 Road to イカメシのヴレアのレビュー・感想・評価

4.1
前回のサブタイトルが「卒業」で、神野ゴウくんも卒業し、遂にシリーズが完結してしまったんだなと思っていた所、まさかのドラマ3シーズン目が放送され歓喜に沸いた。その興奮冷めやらぬ中公開された劇場3作目。「Road toイカメシ」だ。もう終わりを匂わせる単語は踊っていない。こうなったらもう行ける所まで行くしかない。
本作の舞台は函館という事で、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」の影響で聖地巡礼に訪れる人も多いみたいだが、本作でさらに増えるに違いないな?今年の函館はアツい!

さて、このシリーズも毎度のお馴染みの展開で、やり尽くした感は否めないが、もはやその"お約束"を楽しむという領域に達していると思う。
劇場版の良い点としてはいつもの大袈裟な展開がさらにパワーアップし、全体的にやり過ぎている点があげられるだろう。
甘利田先生のリアクションにしてもあまりにもオーバーアクト過ぎてもう笑いを超えて尊敬の念さえ抱かせる。パンフの情報によると市原隼人はこれまでのキャリアで最も体力的にキツいシリーズと語っており、給食を食べるシーンのモノローグも先にその日に吹き込み、それを流しながら演技しているのだとか。しかも一人夜まで給食を食べ続けなければならず8割はカットされるのだとか。ここまで本気で取り組んでいるからこそあれだけの素晴らしいシーンが生まれるんだなと感心せずにはいられない。

ドラマ版最終回付近から劇場版にかけて毎回分かりやすい敵キャラが登場するのもお約束だが、本作の敵は少々ステレオタイプ過ぎるし、ちょっと無理矢理だったかなとも感じた。でもむしろ、そんな事ではもはや全く動じない甘利田先生の精神的な強さがさらに強化されている印象で、もはや無敵なのでないかと思った。
粒来君の印象的な台詞にもある通り、"無敵"という言葉の意味についても考えさせられるようなそんな深いテーマ性も感じさせる。

甘利田先生にはこれからももっともっと給食道を極めて行って欲しい。

余談だが、帰りにどうしてもイカ飯を食べたくなった私はあちこち探し回り、遂にキオスクで"函館のイカ飯"を見つける事ができ、ホクホクで帰路についたのだった。
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