似太郎

プラットホームの似太郎のレビュー・感想・評価

プラットホーム(2000年製作の映画)
4.7
【発狂寸前の若者達】

突き放したようなラストが特徴の、実験精神溢れるジャ・ジャンクー監督二作目。この監督らしい反・物語的展開がツボだった映画でもある。

虚無的な長回しで歌劇団の若者達の旅を延々と描いている、生粋の青春ロードムービー。

眼鏡をかけたやさぐれた草食系男子のワン・ホンウェイがイイ。彼が無理やりバンドをやるシーンが笑えて仕方ない。全員キャラが立ってる。やはり映画にはユーモアは大事。

部分的に『牯嶺街少年殺人事件』だったり『旅芸人の記録』だったり、様々な映画的な記憶が導入されてる気がする。ジャ・ジャンクーは多分その手のオタク。

個人的には前作『一瞬の夢』をさらに突き詰めた感じの老成した作風の、儚い青春群像劇。シナリオや構成を解体して即物的な感覚で撮っている辺りが中国映画的(前衛の真骨頂)と言える。

韓国映画が如何にもアメリカアメリカ🇺🇸してるのに対し(日本と同じでアメリカの属国だからか?)、なぜ中国映画の方はフランス寄りなのだろうか?がたまに不思議に感じる。😥
似太郎

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