プラットホームの作品情報・感想・評価

「プラットホーム」に投稿された感想・評価

犬

犬の感想・評価

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例えば春を待ち構えていて急にあったかくなったなとかまだまだ夜は寒いなとかそこまでは覚えているんだけど、次の瞬間にはすっぽり春に包まれていてコートなんて要らないしするともう雨の気配がしているなと、季節の移り変わりや時間の経過は犬にとってはそのように感じるんですね。すっと入り込んで来るような。そんな人生の流れをこの映画で感じた時、それはそれは自然で気づかぬうちにここまで来てしまったという感じがしてとてもハッとしました。人生そのものだったから。しかし犬は出てこない。

このレビューはネタバレを含みます

『プラットホーム 』鑑賞。友人激推しだったので観ました。電化の波に押し寄せられた炭鉱の町の話。同じ劇団の幼馴染4人組が、新しく訪れる時代の中で生き方を模索する話。固定のカメラフレーム苦手だなー、大きなドラマはなく淡々と展開されていく。4人のうち3人は劇団に残り新しい道を模索するが、瑞娟(ルイジュエン)のみが炭鉱の町に残る選択をする。
電化が進んでいく中で、町での生活は変わり、4人の人間関係はバラバラになっていき、主人公格(?)の明亮(ミンリャン)の家庭もまた変化していく。電化の象徴である列車が、プラットホームへ向かう様はとても印象的。彼らは列車の到着にはしゃいでいるようで、新しい時代の中で精一杯もがいているようにも映る。
最終的に、ミンリャンの父親は浮気相手のところへと去ってしまい、家庭は散り散りとなる。ラストシーンでは子を抱くルイジュエンとミンリャンが映され、二人が結婚したことが暗示される。新居(当然電化されている)で眠るミンリャンの姿は、激動の青春を終えたという普遍のノスタルジーを感じさせる。
「世界の名画たち」特集
@シネマブルースタジオ

若者たちがタバコをふかし、踊り、歌い(時にはフラれてクダを巻きながら)、車に揺られて次の街へ。その繰り返しなのに、地味にさりげなく凄いことをしてる感があってジャ・ジャンクーの才気が迸っていた。
特に踊りのシーンがどれもめちゃくちゃ良い。
大越

大越の感想・評価

5.0
『旅芸人の記録』以来の5.0。

自分はこういう映画が好きなんだなぁ…

偶然か必然か、両作には設定や手法に共通項が多い。モチーフが『旅芸人…』はエレクトラコンプレックスなのに対し、今作はエディプスコンプレックスであるなどと並列に比較できるほどに。

『旅芸人…』の影響は必ずあるのであろうが、もちろんオリジナリティは随所にあって、垂直に上がる男と留まる女、防壁及び障害としての汾陽の城壁とそれを突破するバスの役割、中盤でのスタックしたバスとの対比としての汽車の登場と、そこから増え始める風景カットの鮮烈さ、天安門事件直前の中国の若者たちの雰囲気、等々。

城壁の上を向こうから2人で歩いてくるシーンの長回しは凄かったな。夕暮れで水平に横から光が当たる瞬間にしか撮れない画だった。狭間を使って奥行きとリズム感を出すとか天才過ぎるでしょ。

アンゲロプロスのように超絶技巧な訳ではないが、極めて誠実な長回しの数々に感涙。
僕もこれぐらい誠実に生きていこうと決めた。

相も変わらず数人しか入ってないブルースタジオを出たら、雨上がりの北千住には春の風が吹いていた。
遜

遜の感想・評価

2.0
主人公のキャスティングが素晴らしいと思ったけど、あとは正直何が何だかよく分からない映画だった。観客に不親切...
一つ一つの色味や構図は素晴らしかったが、それだったらエドワード・ヤンを観てるほうが良い。でもなんか、その一つ一つのぼんやり感が絶妙なんだよな、それだけなんだけど。なんだろうこれ...
イシ

イシの感想・評価

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拙者にはエドワード・ヤンとジャ・ジャンクーのカット割りの違いなどわかるはずもございませぬ。
最新鋭のファッションに身を包んだ劇団員の息子に、文革世代の父親はそんな格好で農作業ができるかと叱責する。息子は俺は文化に従事していると言い捨て、外国映画を観に行く。世代間ギャップ。壁に中国語で馬克思(マルクス)って書いてある。ジンギスカンやテレサ・テンなど、ラジオから流れてくる時代を彩ったBGM。若者たちはその音楽に合わせて髪を振り乱し踊り狂う。パーマを巻き、タバコを覚える女たち。彼女を幻滅させ、別れもなく逃げられてしまった男は酔いつぶれ、玄関前にレンガを積み上げるという奇行に走る。変わりゆく社会を生きる若者たちの青春。ストリングスがメインの主題歌に心が震える。長編劇映画二作目でこれってやばすぎる。凄すぎる。


追記
3時間13分のディレクターズカット版をまだ観ていない。惜
李香卵

李香卵の感想・評価

4.8
構成面に於いてテオ・アンゲロプロス監督の『旅芸人の記録』やホウ・シャオシェン監督の『非情城市』などが念頭にあると思うんだけどジャ・ジャンクーの作品はそれらのロード・ムービーとは何かが違う。キャラクターがうらぶらていてどこか今風。如何にも芸術映画っぽい作為性がなくてちょっと一昔のださい邦画のような雰囲気がある。

その泥臭さと劇団に所属する若者達の人間性剥き出しなところに自分は凄くシンパシーを感じる。虚無的なのに熱い。そこが良い。
誰かが必ず作らなければならなかった、当時生きていたみんなのための映画だ。‬
‪あそこに出てくる彼ら彼女らが、何に翻弄され、どういった事を追い求めたのか、思い巡らすほどに身近に思えて、消え去った過去は戻らない事を確かめるのである。‬
cinemar

cinemarの感想・評価

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前の日から寝ずに行ったから、半分以上寝てたんだけど、夢心地のなかフラメンコの音が流れてきたり、ジンギスカンが流れてきたり、HIPHOPが流れてきたりとなんだか贅沢な時間を過ごした。もう一回観たい。かなり良くできた映画なんだと思う。
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