Filmarksやってる人で「ウマ娘ってなんか人気だけど美少女キャラ萌えアニメでしょ?」
って思ってる人に言いたい…
ウマ娘は″史実″に基づいたゴリッッゴリのスポ根アニメであると!!!
自分もソシャゲや競馬に興味ない状態からウマ娘にハマってしまい早3年になろうとしてるから、ちょっと話を聞いてくれ。
そもそも競馬って、一般人には敷居の高い娯楽なんだよね。
主な要因としては、
・「オッサンがやるギャンブル」のイメージ。
・見分けがつかず、何考えてるのか分からない動物が一斉に走ってるのを見ても感情移入できない。
この2つが挙げられる。
それを、『ウマ娘』では馬券の概念を排した上で、実在した競走馬の史実(本作では2001年に活躍したジャングルポケット号)を一人一人個性のあるアスリート達の物語として再構築してる。
なので競馬を知らない人でも「お金を賭けるスリルを抜きにしても、競馬にはスポーツとしてこんなに熱いドラマがあるのか!」という事を教えてくれる。
アニメでレースシーンを観た後にYouTubeで史実のレースを観て「実際のレースも実況含めてそのままなのか!」となって二度楽しめる。
これまでにも色んな擬人化コンテンツがあったけど、ギャンブルというネガティブなイメージのある競馬から熱いスポ根要素を抽出する方法として擬人化が上手くハマったからここまでヒットしたと思ってる。
『ウマ娘』はこれまでにTVアニメや漫画を色々と展開しているけど、NHKの大河ドラマのように各々が違う年代の違う馬の物語で独立しているから、今まで『ウマ娘』に触れてない人でも本作から楽しめる!
あ、でもウイニングライブの概念を知ってないとラストで唖然となるかも。
ここからは本作を観た個人の感想。
※ネタバレあり
史実ではクラシック期で引退を余儀なくしたライバルを主人公がすくい上げる。
というストーリーラインは『RTTT』と同じだけど、本作のポッケはタキオンと同じ目線で大きすぎる幻影にもがき苦しみながらも、それを打ち破る姿を見せる展開はよりドラマチックになってる。
史実では屈腱炎という怪我による引退だけど、このアニメのタキオンも怪我こそすれど、このまま自分が走り続けても″理想″には届かないという諦念に辿り着いてしまった上での自主的な引退というのがミソ。
そうやって常に物事を一歩引いた視点で見ていて、史実でも「一度も本気で走ることはなかった」と言われていたタキオンが、「走りたい」というウマ娘の本能に目覚めるのがエモい。
この世代の話をする上ではマンハッタンカフェとダンツフレーム(とクロフネ)も欠かせないけど、彼女らの史実でのハイライトがこの後だから扱いがちょっと難しいな。
欲を言えばJCの前後にポッケとオペラオーのやりとりがほしかったし、ドトウやデジタルがオペラオーに勝つところも映像で観たいよ!
…と、各キャラの推しや史実を知ってる立場からすると「アレもやってコレもやって!」ってなるだろうけど、全部やってるとキリがないから「ジャングルポケットが″大きすぎる理想″に押し潰されそうになりながらもそれに立ち向かう話」として上手い具合にまとめたと思う。
評判の高さに対して、このレビュー投稿してる時点でFilmarksのmark数が1000にも届いてない。
ウマ娘好きの間だけで盛り上がるファンムービーに留めるのはもったいない作品だから、マジで映画好きも一本のスポ根映画として観てくれえええ!!!