みぞみぞ

不死身ラヴァーズのみぞみぞのネタバレレビュー・内容・結末

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作漫画を読んだ時には、生まれ変わりの設定の奇抜さに目を取られて、この作品の面白さを掴みきれぬまま読了してしまったが、
映画を見てその面白さの根幹に触れることができてかなり感動した。

生まれ変わりというのは、理想の恋愛を概念化するためにある設定で、
むしろ注目すべきなのはその裏にある、
恋愛は成就した途端終わりが始まってしまうという強烈な諦念だ。

その諦念を極論に拡張した結果、
想いが通じ会った途端相手が消えてしまうという表現になってたんだなー。

そして、恋愛そのものを不毛に感じるようになったタイミングで、
今度は逆に、記憶喪失相手との恋愛という決して成就しない恋に身を投じていくことになり、
それにも絶望することで、
恋愛は成就してもしなくても絶望。という結論に堕ちていってしまう。

そこまで分かった時点で恋愛の無力感にいたく共感してだいぶ感動していた。
なので、ラスト手前の種明かしは別に自分としてはいらなかったな。
彼女が経験してきた本当の恋愛一つ一つについてはもう想像を巡らせてしまっていたので、
それが1つの事実として説明されていく感じは、せっかく広がった想像が無理やり縮小されていく感じがして少し悲しかったし、受け身な時間だった。そんな説明しないでーー!メタファーとして充分感動してるからーー!と思った。
けど、こうなったのは自分が一度原作漫画を読んでいたからで、完全な初見だったらこのくらいしっかり種明かしして、比喩表現をひっぺがしてしまうくらいじゃないと伝えたいことが伝わらないのかもしれないなとも思った。

なんにせよ、カラオケの階段でキスをされて、消えないで、、と呟くシーンは本当に最高だった。あのシーンを見れただけで見てよかったと言えるくらいグッときました。
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