ShinMakita

オーメン:ザ・ファーストのShinMakitaのネタバレレビュー・内容・結末

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

☆俺基準スコア:2.2
☆Filmarks基準スコア:3.4



1971年、ローマ。アメリカからやってきたマーガレットは、シスター見習い兼教師として修道院の寄宿学校で働き始める。アメリカの修道院で「問題児」扱いをされていたマーガレットは、かつての自分のように反抗的でしばしば折檻部屋に入れられている少女カルリータに強いシンパシーを抱き懸命に世話を焼くようになった。そんなとき、マーガレットの前にブレナンという神父が現れる。彼はマーガレットに、カルリータにまつわる恐るべき秘密を伝えるのだが…



「オーメン ザ・ファースト」

以下、目撃せよ…〈ネタバレの子〉の誕生を。



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ぶっちゃけて言って「不要」な前日譚。ダミアンが何故生まれたかのロジックなんか別に必要ないのに、わざわざ教会の陰謀という設定にしたのはかなり無理があるでしょ。ダミアンが成長する過程で登場する守護軍団があの教会の一派なら、結局このサーガはカトリックの内紛話だったということになってしまうよなぁ。グレゴリー・ペックが墓を暴いた時のインパクトも本作のおかげで整合性が取れなくなって減じてしまうし…しかもラスト、マーガレット・ファミリーで続編の色気まで見せているし、20世紀映画は猿以外にも過去の遺産に頼る気なんだろうか。俺はあまり肯定できませんね。

とはいえ、一本のホラー映画として見れば決して出来は悪くない。1971年の時代再現度はめちゃくちゃ高いし、ホラー描写にも知性を感じるし、ヒロインの演技力とルックスはとても高いし、クオリティは極上ですよ。まぁ、母親がカルリータじゃなくて実はマーガレット、という捻りはだいぶ前から読めてしまい興醒めなところもあるんですが、やみくもに惨殺シーンを見せるのではなく、死ぬ人間に理由がちゃんとあったのは良かった。オーメンにおける「死」は、ダミアンの行く手を阻む者に降りかかるんですよ。本作は誕生前なので、「マーガレットに真実を告げようとする者」に降りかかるわけです。シスター・アンジェリカは絵で真実を伝えかけてしまったし、パオロはアザについて口にしたのが〈死因〉でした。殺しのリストの筆頭はブレナン神父の筈ですが、ギリギリまでカルリータが本丸だと思ってたから今回は生き延び、オーメン一作目で殺されるわけですな。



これ、もし続編作るなら、明らかにダミアンVS双子の少女の構図になるでしょう。多分、いま流行りの「パート2.3はなかったこと」にする一作目の正統続編パターンで、時代設定を現代にするでしょうな。ただこのやり口、実はTVドラマでやって失敗してるんすよね。果たしてどうなるか…

というわけで、オーメンファンは全く見る必要のない作品ですが、ホラー好きは見て損のない一本と評価。「男児」と分かったところで、満を持してのテーマ曲にはやはりアガッた^_^
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