素晴らしいドキュメンタリーだった。これは今、見るべき作品だなと思う。
そもそも元々はハーパーがカムアウトする前に大好きだったアメリカ旅を、一緒にやらない?と誘ったところもめちゃくちゃ粋だし。
友人がきっとこれまで誰にも言えなくて苦しんできたり、今これからどんなふうに自己を取り戻していくかを考えたときにできるだけ傷つかないようにと当たり前に心を寄り添って行動するウィルが、いわゆる60代の「男性」であることもとても意味のあることだと思う。
強い男を求める場所で戦ってきた世代にこそ観て欲しいドキュメンタリーだった。
ウィルがハーパーに聞きたいことを思い浮かべた時に、なぜその名前にしたの?というのもとても本質的で良いなと思ったし、そのハーパーの答えもとても良くて。あぁ、自分とちゃんと出会えた瞬間だったんだなとこっちまで嬉しくなって切なくなって言葉にならない気持ちだった。
バスケの試合でトランスジェンダーに厳しい知事に会った時のことや、テキサスでステーキを食べた時の周りからの好奇の目。僕の失敗だと涙を流すウィルに心がギュッとなる。友達を守るってとっても難しい。世界はどこでどう繋がっていくかわからなくて、それでも一つずつ2人で訪れて初めてを経験する。君が隣にいるからできるよ、と言って。2人の関係が本当に素敵で少し羨ましくもある。
最後のサプライズプレゼントも本当にさりげなく、かつ心がこもっていて素敵すぎて泣ける。ウィル・ファレルめちゃくちゃカッコいい。