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クレオの夏休みのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

クレオの夏休み(2023年製作の映画)
3.5
【カーボヴェルデの夏休み】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=g04MkGKfCHE

横浜フランス映画祭2024で上映された”Àma Gloria”が邦題『クレオの夏休み』で2024/7/12(金)よりヒューマンとラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほかにて全国ロードショーが決まった。監督は2014年に『Party Girl』でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞したマリー・アマシューケリ=バルザック。老いたキャバ嬢の打算的な恋を描いた意欲作であった。今回、配給会社さんのご厚意で一足早く鑑賞させていただいたので感想を書いていく。

6歳のクレオには大好きな乳母のグロリアがいる。母親がいない彼女にとってグロリアの存在は大きく、いつもそばにいた。しかし、とある事情からグロリアは故郷であるカーボヴェルデに帰らないといけなくなる。クレオは父に相談して、夏休みの間だけカーボヴェルデに滞在することとなる。

本作はシンプルな夏休みものでありながら、あまり観たことのないような演出が光る。まず特記すべきはアニメーションの活用であろう。幼い子にとって国外はファンタジーの世界のように壮大だ。そう感じる心象世界をアニメーションで表現している。

次に子どもが主役の映画でありがちな、妹や弟に寵愛を奪われることによる嫉妬が思わぬ形で描かれているところにある。グロリアはカーボヴェルデで赤ちゃんをあやすこととなる。そこでクレオに歌ってあげていた曲を歌う。「自分だけの曲ではなかったのか」とショックを受ける場面があるのだ。これが新鮮だったりする。

またカーボヴェルデの言葉がわからないクレオは現地の兄貴的存在に面倒をみてもらうこととなる。言葉が通じないことをいいことに言いたい放題言われているのだが、終盤になっていくと打ち解けていくところが子どもらしくてチャーミングだ。

サクッと観られる作品なので、重い映画に疲れた方の処方箋として、また純粋なバカンス映画として本作をオススメしたい。

2024/7/12(金)よりヒューマンとラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下ほかにて全国ロードショー。
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