CHEBUNBUNさんの映画レビュー・感想・評価

CHEBUNBUN

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L'ete dernier(原題)(2023年製作の映画)

3.7

【わたしは夫の息子に欲情する】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=J88FZNHxH7M&t=123s

昨年のカンヌ国際映画祭に出品されたカトリーヌ・ブレイヤ新作
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ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)

4.0

【結婚は地獄】
ロベルト・ロッセリーニは火山に荒涼とした人の心を託す。女は結婚し、男に連れられて火山島にやってくる。想像と異なる荒廃具合に狼狽し、引き返そうと懇願するが、彼女をモノ扱いしている彼は聞く
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スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火(1989年製作の映画)

4.0

【景気よく発火する人体】
黒沢清のお気に入り作品に挙がっていたトビー・フーパー『スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火』を観た。これが景気よく人体が発火する作品であった。

突然、人体が発火す
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シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)

3.5

【『オッペンハイマー』第二部】
『オッペンハイマー』で突然注目された作品『シャドー・メーカーズ』を観た。これが、ほとんど『オッペンハイマー』の第二部であった。

本作はマンハッタン計画により、荒野に科
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青春(2023年製作の映画)

5.0

【ワン・ビン最高傑作!】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=lDvG37x39xk&t=21s

2023年のカンヌ国際映画祭コンペティションで話題となったワン
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成功したオタク(2021年製作の映画)

3.0

【脆きアイドル信仰との向き合い方】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=IpoMlIFqgPI

推しに認知され「成功したオタク」であったものの、彼が性犯罪で逮捕
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珈琲時光(2003年製作の映画)

3.0

【東京を捉えるメタ的視点】
カイエ・デュ・シネマベストに入っていた侯孝賢の『珈琲時光』を観た。

正直、小津安二郎リスペクトの映画として観ると、手ブレが激しく単に彼の真似をしているようにしか思えない。
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アララトの聖母(2002年製作の映画)

3.5

【記憶を記録する渇望】
昨年、TSUTAYA浅草ROX店で引き上げてきたレンタル落ちDVDの『アララトの聖母』を観た。アトム・エゴヤン監督はイマイチパッとしないことが多いのだが、本作はヴィクトル・エリ
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ミュージック(2023年製作の映画)

3.0

【ストローブ=ユイレ系はよくわからない】
昨年の東京国際映画祭で話題となったアンゲラ・シャーネレク『MUSIC』を観た。アンゲラ・シャーネレクはストローブ=ユイレに近いイメージがあり苦手なものがあるが
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.0

【ザ・フライみたいだな】
寄稿のために観直した。意外と原作通りでびっくりしたのだが、肉体の変化に内面が気付けない様は『ザ・フライ』だなと思った。


<リメイク版との比較に>『異人たちとの夏』ノスタル
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No.10(2021年製作の映画)

-

【ヴァーメルダムは監視の末、はるか遠くへ投げ出した】
『ボーグマン』の鬼才アレックス・ファン・ヴァーメルダムが長編10作目として『No.10』を発表した。毎回、奇天烈な世界観を提示してくるヴァーメルダ
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テリファー 終わらない惨劇(2022年製作の映画)

4.5

【理路整然たる狡猾狂気】
「全米が吐いた」ことで知られる『テリファー 終わらない惨劇』。なぜか、カイエ・デュ・シネマがやたらと褒めているのでホラー映画苦手な私も観てみることにした。前作は、画期的であっ
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

1.5

【不気味なオトナ帝国の忍び寄り】
「ゼロの執行人」以降、『ワイルド・スピード』的ファミリー×アクション大作化している名探偵コナンシリーズ。最新作を観たのだが、これはコナンがドラえもんやクレヨンしんちゃ
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虹を掴む男(1947年製作の映画)

3.0

【今だと統合失調症の深刻な物語になるだろう】
Prime Videoに『LIFE!』の元ネタである『虹を掴む男』があったので観てみた。

妄想癖のあるウォルター・ミティは油断すると自分の世界に入り込ん
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Maya(原題)(2018年製作の映画)

2.5

【ミア・ハンセン=ラブは旅行が好き】
ミア・ハンセン=ラヴの日本未公開映画『Maya』を発見したので観た。後の『ベルイマン島にて』に通じるものがある作品であった。

フランスのアート映画では時折、アフ
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有りがたうさん(1936年製作の映画)

4.0

【清水宏のシンプル・イズ・ザ・ベスト】
無性に清水宏映画を観たくなったのでDVDを取り寄せて観た。シンプルなロードムービーでありながら複雑なショットを実装していく映画の勉強にふさわしい作品であった。
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Trenque Lauquen parte II(原題)(2022年製作の映画)

3.2

【「記録」を辿る者と「記憶」を辿る者たち】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=73ZwVmyfLes

アルゼンチン映画が密かに盛り上がりをみせている。14時間
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Trenque Lauquen parte I(原題)(2022年製作の映画)

3.2

【「記録」を辿る者と「記憶」を辿る者たち】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=73ZwVmyfLes

アルゼンチン映画が密かに盛り上がりをみせている。14時間
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マクロスプラス MOVIE EDITION(1995年製作の映画)

3.5

【熱量は『トップガン』!!】
VTuber以前のヴァーチャル・ビーイングを考えるにあたり『マクロスプラス MOVIE EDITION』を観るとよいとアドバイスを受けたのでPrime Videoで観てみ
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Yannick(原題)(2023年製作の映画)

2.5

【カンタン・デュピューの不条理演劇】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=Yv4KexY-b58

日本版MUBIにまさかのカンタン・デュピュー新作『YANNIC
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ブレスレス(1983年製作の映画)

4.0

【ゴダール『勝手にしやがれ』のリメイク】
ジャン=リュック・ゴダール『勝手にしやがれ』のリメイクである『ブレスレス』を観た。監督のジム・マクブライドはゴダールに魅了された監督の一人であり『デイヴィッド
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デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!(2000年製作の映画)

-

【サマーウォーズの原型】
デジモンの映画をそういえば観たことがなかったので、急遽、細田守監督『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』を観た。驚くほどに『サマーウォーズ』の原型で驚かされた。
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極道系Vチューバー達磨(2022年製作の映画)

3.0

【美少女アバターからゴツい声が!!】
動画版▽
https://www.youtube.com/watch?v=KePqYR4xtG0&t=358s

VTuber文化もキズナアイが「バーチャルYou
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.0

【スターのドール人形として......】
ソフィア・コッポラ新作『プリシラ』を観た。本作はエルヴィス・プレスリーの元妻であるプリシラの心情に歩み寄った作品となっている作品だ。単なる伝記ものに留まらず、
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

【嫉妬の銃口は問いかける「戦争を終わらせるために原爆は必要だったのか?」と】
※超長文注意

動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=ypG6M9E6KNE

昨年か
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.8

【生きていることこそがアート】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=ypG6M9E6KNE

『オッペンハイマー』に対するモチベーションが低い中、同じ日に公開され
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Favoriten(原題)(2024年製作の映画)

3.0

『バッハマン先生の教室』が強烈すぎてピンと来なかったな。ただ、子どもの段階から戦争の話はするし議論で物事を解決しようとするのは共通していた。日本と比べて対話が重視されている。

ある男(2022年製作の映画)

3.5

【差別描写がノイズとなって】
『市子』を観た時、『ある男』を鑑賞していなかったことを後悔した。Prime Videoに来ていたので遅ればせながら観てみた。面白かった一方で、妙に引っかかる作品であった。
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めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

2.5

【村上春樹の小説がフランスでアニメ化】
横浜フランス映画祭2024で村上春樹の小説をアニメ化した『めくらやなぎと眠る女』が上映された。知人が昨年の年間ベストに入れていたので気になって観たのだが、そこま
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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.7

【絞り出される移民像としての団地の狭い空間】
フランスの団地映画ことバンリュー映画もとある変化が起きている気がする。『GAGARINE/ガガーリン』と本作を観ると、パリ郊外の団地が老朽化を迎えており解
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映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ(2024年製作の映画)

3.8

【贋作を真とみなす者へ鉄槌を】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=g7A_wzbSr28

巷で「おしりたんてい」の新刊「おしりたんてい あらたなる かいとう」がダ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【実存の危機に陥る時、人は加虐的/自虐的となる】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=PjZsmKE9XdU&t=5s

公開前から話題となっていた『デッドデッドデー
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けもの(仮題)(2023年製作の映画)

4.5

【生成AIによって融解した境界の中で我思う故に我あり】
動画版▼
https://m.youtube.com/watch?v=05BgRHzoUFo

横浜フランス映画祭2024でベルトラン・ボネロの
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

【ディスプレイ画面によるサスペンス】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=03DUIIJ_P1c

想像以上に面白かった!ディスプレイにより生み出されし「新たな眼
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ピストルと少年(1990年製作の映画)

3.5

【撃たれぬ銃の均衡】
カイエ・デュ・シネマベストに入った『ピストルと少年』を観た。想像と違った作品ながら面白く観た。

銃を拾った少年は、薬局に強盗へ入る。白昼堂々、ショーウィンドウに人がいるにもかか
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オキュパイド・シティ(原題)(2023年製作の映画)

1.0

【251分の拷問】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=03DUIIJ_P1c

TBSドキュメンタリー映画祭でA24×スティーヴ・マックィーンの4時間を超える作
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