„In Liebe, Eure Hilde“
(イン リーﾌﾞェ オﾙガ ヒルデ)
2024年 🇩🇪ドイツ
監督 Andreas Dresen(アンドレアス・ドレーゼン)
『愛を込めて、ヒルデより』(直訳)

🇩🇪2024年 ベルリン国際映画祭にてワールドプレミア
🇩🇪2025年 ドイツ映画賞にて
🏆長編映画部門 銅賞
主演のLiv Lisa Fries(リヴ・リザ・フリース)が🏆最優秀女優賞を受賞しています。

📖あらすじ
1942年、ベルリン。
医療助手のヒルデ(リヴ・リザ・フリース)は、
後に｢赤いオーケストラ｣として知られることになるレジスタンス組織に加わる。
控えめなヒルデは、ハンス・コッピ(ヨハネス・ヘーゲマン)と出会い、恋に落ち、後に結婚する。
ヒルデは、ビラ配布活動に参加し、無線を使ってドイツ国防軍の計画をソ連に伝える試みに協力。
グループは常に逮捕の危機にさらされるが、それでもヒルデとハンスは幸せな夏を過ごす。しかし、徐々にグループのメンバーが逮捕されていく。
妊娠中のヒルデはハンスと引き離され、バルニム通り女子刑務所で息子を出産し、裁判を受けることになる...

レジスタンスグループRote Kapelle(ローテ・カペレ)『赤いオーケストラ』は、
赤は共産主義者、カペレは無線通信士グループを意味し、共産主義者とロシア人に同情的な背景を持つ人々が、各グループごとに活動していました。
状況が厳粛であっても、ビラの掲示、無線やモールス信号での活動の回想シーンは、
牧歌的、希望に満ちた鮮やかな青春時代のように描かれ、
交互に映し出される悲痛な物語と運命は、ナチス政権がいかに非人道的であったかを露呈します。

本年度ドイツ映画賞金賞は『SEPTEMBER 5』でしたが、個人的には本作こそ金賞に相応しいと思っています。
最優秀女優賞に輝いたリヴ・リザちゃんは、悲壮感漂いながらも、残酷な運命を毅然と受け入れる演技は本当に素晴らしいです。

当時のレジスタンスでは有名な、ドイツ空軍中尉でありながら、ナチスの内側から国家社会主義に対する抵抗運動を行う指導者だった
Harro Schulze-Boysen(ハロ・シュルツ＝ボイゼン)や、
ソ連の秘密諜報機関エージェントであったAlbert Hößler(アルベルト・フスラー)も登場します。

とても重たい作品です。
ナチスに抵抗したレジスタンスの名前や活動を知ることができて、とても学びになります。
しかし、彼らの名前を辿り顔写真を見ると、その残酷で悲惨な末路が、俳優たちの表情と重なり苦痛を感じずにはいられません。
正直、何度も観たくはないし、このレビューも早く終わりたかったです。

欧州では高い評価を受けていますので、日本公開もそう遠くはないでしょう。

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