藤井道人監督の映画は、新聞記者しか観たことがない。
当時、韓国の監督なのか?と思ったら日本人でびっくりした記憶。
この映画も、ミッシングというドラマ(韓国)と設定が似ており、死者が集まってワイワイと暮らしているというファンタジー。
どちらも残された者の救いとなるような作品だ。
ドラマでは、自分の遺体が発見されると次の世界へ旅立てる設定であり、この映画では、会いたい人に再会できる事(偶然にもしくは自発的に)が条件だ。
新月の夜、皆灯りを手に家族や恋人を探すためゆっくりとパレードに出かける。
非常に幻想的かつロマンティックで、映画上映の場面と共にハイライトとなるシーンだ。
このぼんやりとした灯りだが、生者と死者が混在する場面での点滅するライトや、遊園地の電飾など、死者の世界を穏やかに彩りおとぎ話のように見せている。
灯籠流しやランタンフェスタのこの色、この世とあの世を繋ぐサインのようなものなのかもしれない。
「死んでいても生きている」
というテーマは、
西加奈子さんの“くもをさがす”の一節にある“死後の生”に通ずる。
忘れられないのは死者ではなく、生者のほうなのだ。
そして、忘れなくてもいい。
それが“死後の生”だからだ。
あと、劇中劇である映画が最後まで観られない!
気になる!
観たいぞ!
横浜流星さん、若い北村一輝さんに見えた。
風格がすごい。こんな感じの俳優さんだったのか。