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正義の行方のndkのレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
4.5
警察、弁護士、報道、三者の視点で事件が語られていく構成。
それぞれの正義があり、それぞれの真実があることが淡々と語られていき、見ている側はどの立場の真実を選ぶのか?と聞かれている感覚になる。

警察はとても感情的で被害者を思い、犯人を心から憎んでいる。犯人に対して激しい怒りを隠そうとしないし、自分たちが積み上げた捜査の結果に信念を持っている。それが事実だったかは置いておいて、そこには確実に信念を感じる。

個人的には、元死刑囚の妻が実に淡々とインタビューに応えていたことが印象的だった。
もしかしたら冤罪かもしれない、自分の夫は国に殺されたのかもしれない、そのような怒りや悲しみを押し殺し、ひとつの事実を求める姿のように見えた。

この国の司法制度はおかしい、権力によって揉み消されている事実がある、というよりも人間が正しく人を裁くことなど、人間が人間である限り無理なのかもしれないと思わされる映画だった。

あとユーロスペースの椅子が合わなすぎて腰が終了しました。
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