Noise

正義の行方のNoiseのレビュー・感想・評価

正義の行方(2024年製作の映画)
4.3
監督の木寺一孝さんとジャーナリストの青木理さんのトークショー付きで鑑賞。

『真相は、藪の中』
いくらその薮を掻き分けていっても、どこまでいっても薮が続くだけ.....
もしかしたら、迷って同じ場所に何度も戻っているのかもしれない……

1992年2月20日におきた『飯塚事件』、福岡県飯塚市で2人の女児が行方不明となり翌日同県甘木市八丁峠で他殺体となって発見された事件。1994年に犯人は捕まり、2006年に死刑判決、2008年に刑が執行されているが......
この事件に関わった、警察、弁護士、マスコミの『今』の正義の行方を描いたドキュメンタリー。
とても見応えのある映画となっており、観ておくべきドキュメンタリーとなっております。
何が「正義」で、大多数の人々が信じた「真実」は、本当に正しかったのか?
もしかして、「正義」は捻じ曲げられ、「真実」も間違っていたのではないのだろうか?
もし、間違っていたのだとしたら、被害者の家族や犯人として死刑になってしまった男の家族は、何を思うのだろう?
死刑になった男は、本当に犯人だったのかもしれない。だとしても、真実が曖昧なまま死刑を執行してしまうのは、どうなのだろう?
そんな事を考えると胸が締め付けられ、とてもやるせない気持ちになってしまいました。

藪の中を掻き分け歩いてきた末、結局元の場所に戻り、更に藪は深さを増す。

一度決まった方向に動き出すと強引でもその方向にしか進まなくなる組織や報道のあり方、例え間違っていたり不十分な証拠であっても絶対に覆されることのない判決など、他人事ではなく明日は、我が身かもしれない.....
とても考えさせられました👍
Noise

Noise