ボブおじさん

恐怖の報酬のボブおじさんのレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(2024年製作の映画)
3.3
オリジナルは、言わずと知れたアンリ=ジョルジュ・クルーゾーによる1953年の大傑作サスペンス。1977年にはウィリアム・フリードキンによるアメリカ版リメイクも作られこちらもなかなかの出来栄えだった。

本作は、オリジナル同様フランスで作られたリメイク作だが、輸送チームの人員を集め油井火災の消火に用いるために大量のニトログリセリンをトラックに積んで目的地まで運ぶというプロット以外は、かなり脚色され銃撃戦などのアクション要素が強めとなっている。

時代は現代、場所は砂漠地帯へとリニューアルされ、輸送チームのメンバーもワケ有りの兄弟らとなり彼らの前に武装した反乱勢力や地雷原が立ちはだかる。

だが、肝心の〝恐怖の対象〟であるニトログリセリンの恐ろしさが今ひとつ伝わってこない為、オリジナルで描かれていた道中のピリピリした緊張感が感じられない。そもそもニトロを積んだトラックでの銃撃戦などは、いくら何でもリアリティに欠ける。

Netflixオリジナルのアクション映画のひとつとして見る分には問題無いが、大看板のリメイク作を掲げるには、いささか役不足ではあった。