AONI

レーサーのAONIのネタバレレビュー・内容・結末

レーサー(1969年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

夫婦共演のオノロケ映画と思いきや・・・。電話を通じたギクシャクした会話シーンが、二人の溝を際立たして良い。“壊し屋”ロバート・ワグナーも好助演。

まあ、結局はオノロケ映画なんでしょうね。「私達は夫婦の危機をこうやって乗り越えてきました」、みたいな。それにしても、浮気妻ジョアン・ウッドワードの言い訳が不可解。「彼を苦しませるつもりはなかったの!」 では、レースに没頭して相手してくれないポール・ニューマンへの当てつけではなく、ただ単にロバート・ワグナーと寝たかったということ!?そっちの方が性質が悪いように思うのですが・・・。ロバート・ワグナーの間男ぶりは絶品。こういう役柄をやらせれば、水を得た魚!

怒りとも悲しみともいえぬポール・・ニューマンの苦悶の表情も最高。動揺して、車のドアに頭をぶつける演出(演技)もリアル。しかも、自分のレーシング・カーまでR・ワグナーに横取りされるのだ。こんな浪花節の展開、誰だって応援してやりたくなる!義理の息子との友情関係も結構しみじみさせてくれます。カー・レーサーの華やかな仕事とは対照的な、孤独な私生活を丹念に描いてる佳作でした。
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