AONIさんの映画レビュー・感想・評価

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舞妓はレディ(2014年製作の映画)

3.0

京都の花街という異空間の文化を、ミュージカル仕立てで表現しようという心意気は買いたい。
就職で関東圏デビューした小生も、新卒の頃は関西訛りを出さないよう気を付けて喋っていたら、口数少なく大人しい奴と思
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スオミの話をしよう(2024年製作の映画)

2.0

長澤まさみの多重人格者のように豹変する演技は面白いが、この豪華キャストを使って、やっている内容は小劇場の寸劇コント。劇場用映画らしい演出は皆無。劇作家・三谷幸喜にはもっと「画作り」にこだわってほしい。

ラストマイル(2024年製作の映画)

3.5

ロッカーの引継ぎメッセージは謎に満ちており、そして、深考するほど薄ら寒さを感じる。
人気ドラマ2作品「アンナチュラル」「MIU404」の主要キャストをそのまま超豪華ゲストとして従え、切り込んだ題材が流
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.5

捻られたストーリーと多彩なダンス。100分弱という上映時間内に詰め込まれている濃度に驚かされる。ミュージカル映画の持つ、エネルギッシュなパワーに圧倒される。

先ず第一に、サイレントからトーキー転換期
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時の支配者(1982年製作の映画)

3.5

“遠く隔てた”者同士の交信、というアイデアの元祖ではないだろうか? マイクを通じた「誘導者」の交替が生むドラマ、人の心が読める妖精、同化思想の惑星etc. 単なるアニメの枠を超えた哲学的な世界構築が素>>続きを読む

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.5

最近の「驚かせてナンボ」というショックホラーとは違い、じわじわと来る恐怖感。 妊婦特有の神経衰弱・不安による盲執なのか、実際に悪魔的集団に狙われているのかが、意図的に最後まで分らないようにしている展開>>続きを読む

河童のクゥと夏休み(2007年製作の映画)

3.5

児童向ファンタジーの形式を装いながら、イジメや仲間外れといった人間の子ども社会にある残酷さを対比のように描いているのも、原恵一作品らしい。

「ウソをつくのは人間だけだ」という子河童クゥの台詞が妙に脳
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Winny(2023年製作の映画)

3.5

本筋の裁判と並行して、愛媛県警の裏金隠しの告発事件が描かれており、何なの、このサブストーリーはと思っていたら、思わぬところで繋がるのが面白い。事実は小説より奇なり。
プログラム言語が日本語以上に得意な
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大岡政談 将軍は夜踊る(1950年製作の映画)

3.0

噂の新興宗教を聞きつけて、将軍様が退屈しのぎのお忍び見学。丸根賛太郎らしい、シュールで奇抜なストーリー展開。けど、シュールすぎて笑えない、ってのはコメディ映画としてどうなんだろ?

沈黙のパレード(2022年製作の映画)

2.5

こんなに周囲から恨み嫌われているターゲットならば、こんな回りくどい細工をする必要なかったんじゃね?、というのが先ず第一の感想。

密告者(1965年製作の映画)

3.0

古谷充とフレッシュメン(有名なジャズ・コンボらしい)が手掛けた音楽が良かった。田宮二郎にしては珍しく、嵌められて追い詰められていく役回り。

モルグ街の殺人(1932年製作の映画)

2.5

本作の1年後に公開される『キング・コング』へと続く先駆的モンスター作品とも言えなくはないが・・・それにしたって、この「怪物」のサイズはもう少し大きめに描けなかったのか??

モスクワへの密使(1943年製作の映画)

3.0

米ソ共同参戦の必要性を米国民に訴えたプロパガンダの側面を持つ作品がゆえに、モスクワ裁判でのスターリンによる敵対派粛清を巧みに正当化(誘導)している。ただし、当時のドイツやソビエトの状況等は、一人の外交>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.5

没落したスターに対して、芸能ゴシップ記者が説く「100年後わたしたちはこの世から消えても、あなたのフィルムが映写機にかかれば、あなたは蘇る」というセリフは、映画の本質をついているというか、映画愛が感じ>>続きを読む

あんのこと(2023年製作の映画)

4.0

ある一人の女性の人生を基に「新型コロナ禍」を描いた秀作。コロナ禍で全てが変わった世界。パンデミック発生時の孤独感、閉塞感を、まざまざと思い出した。

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

1.5

事件が解決後のエピローグが長く、とってつけたような水増しストーリーで、とにかくダルい。 主人公のキャラ設定も、感情的な熱血漢と思いきや、急に政治的な駆け引きを始めたり、チグハグでブレブレだ。

ディア・ファミリー(2024年製作の映画)

3.5

「次は、どうする?」 我が子の命を救うために、知識も経験もない医療機器開発に挑む町工場の父親、そんな彼を無謀だと止めるのではなく、逆に後押しする奥さんとの夫婦コンビが素晴らしい。昭和〜平成の「ものづく>>続きを読む

モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)

4.0

ペットが実験室で悪戯したら、まさかの大発明が爆誕。アニメや漫画でコスられ続けた「あるある」シチュエーションだが、成程、本作がそのシチュエーションを流行らせた元祖か!!

かくしごと(2024年製作の映画)

3.5

幕引きの台詞の素晴らしさ! 幕引きの良さとしては、ここ最近の鑑賞作ではベスト。 原作小説の原題は「嘘」らしい。なるほど。親子間、疑似親子間、邪悪なもの、切実なもの、様々な「嘘」が紡ぎ合った物語だ。>>続きを読む

夜の終り(1953年製作の映画)

3.0

藤原釜足が扮する朴訥な警官さんが、この作品の良心を全て抱え込んでいる。

フラガール(2006年製作の映画)

3.0

第一・第二次産業(炭鉱業)が廃れていき、第三次産業(観光・レジャー業)が生まれていった昭和史を、エンタメとして上手く描いている。それにしても、東北地方にハワイコンセプトのレジャー施設を作るとは、大胆な>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

最初に難点を挙げると、本作の敵であるバイカー野郎達(クマちゃん人形抱えているボス含め)が、いかにもアタマ悪そうな奴らばっかで、キモ怖いイモータン・ジョー(本作にも登場するが、前作の宿敵)に比べて小粒感>>続きを読む

地平線から来た男(1971年製作の映画)

3.0

西部劇スターの1人ジェームズ・ガーナーが、馬はケツが厚い人間じゃないと乗れないと毛嫌いするキャラというだけでジョークが利いている。
「本物」として、こちらも西部劇ドラマで有名になった俳優が登場するのだ
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ミッシング(2024年製作の映画)

3.5

半狂乱の石原さとみに対して、感情を抑えて自分はなんとか冷静に努めようとする旦那(青木崇高)が、ラスト近くで慟哭する姿には心打たれる。物語はフィクションかもしれないが、被害者なのに嫌がらせや誹謗中傷を受>>続きを読む

碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

原案である古典落語らしい人情噺に、非情な侍世界の復讐譚を繋ぎ合わせたもんだから、なんとも不思議な仕上がりの時代劇。 タイトル「碁盤斬り」が意味するものを考えながら鑑賞していたが・・・

まさかの「その
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.0

「仇討ち」という負の連鎖。 人を殺める生業である仕掛人たちが、その「業」を背負って生きている、ってとこをしっかりと描いている本家本元。その点が、恨み請負の殺し屋というアイデアだけを頂戴したTV「必殺」>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

3.5

ハリウッドでも吹き荒れた”Me Too”運動の代表的スキャンダル事件を取り上げた作品。事件そのものよりも、中心となる3人の女性アナウンサー達には縄張りというか距離間がある、その冷ややかな関係性がリアル>>続きを読む

アンストッパブル(2010年製作の映画)

3.0

明白な人的ミス(整備士の怠慢)による貨物列車大暴走。当の整備士が、モニター前で、暴走列車を止めようと奮闘する主人公2人を応援するシーンが映るたびに、何とも言えぬ苛立ちを覚えた。

本社のガルビン部長(
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ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

3.0

いかにもイーストウッドらしい、下手にドラマを盛り上げない、あくまで実話に忠実な手堅い演出作。さすがのイーストウッドも、地味で小品すぎると思ったので、不時着事故そのものではなく事故調査と傍聴会をメインス>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.0

物語序盤から、女性ジャーナリストと連続殺人犯の2つの視点で展開されていくので、犯人捜しといったミステリー要素はなく、実録犯罪ドラマといった趣き。一方で、法治国家の常識が通用しない特殊なお国柄が舞台なの>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

カメラが引いていき、星空の輝く星の一つになるラストは素敵だった。
両親との再会や交流が「思い出の再生」ではなく、「物語の続き」であることが本作品の魅力だろう。生前の両親とは果たせなかった「主人公の告白
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マデリーン 愛の旅路(1950年製作の映画)

3.0

カメラの向こうにいる観客に向かって語る検事&弁護士。最後にこちらをジッと見据えるマデリーン。後半の見事な裁判劇ですっかり野次馬傍聴者となっていた観客は、その目に怯む。

戦場にかける橋(1957年製作の映画)

3.5

破壊が日常である戦場での「モノ作り」。立場は違えど、自分たちで作ったモノには、誇りや思い入れを感じてしまうもんですよね・・・。ウィリアム・ホールデンは本作でも、軽薄で打算的で、けど、やる時はやるアメリ>>続きを読む

劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

3.0

娘にアーヤツール(操る)、って名付ける親のネーミングセンスを疑ってしまう。大人を操ることに長けていて自覚しているヒロイン少女ってキャラが、好感持てないや。

ヒロインの女の子、魔女が飼っている猫に対し
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弾丸を噛め(1975年製作の映画)

3.0

イキがっている若者たちが、G・ハックマンとJ・コバーンの両オヤジにお仕置きされるシーンが好き。クライマックス直前の意外な急展開には驚き。

久々に再会した旧友同志のハックマンとコバーン。コバーンから金
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

再会した2人が交わす会話「その姿、似合っているよ」「お前の髪型もな」・・・ってのが最高です! 結末は途中で何となく予想できるけど、最後まで飽きなく楽しめて、かつ胸アツになれる映画ってのは、良作の証拠。>>続きを読む