まぬままおま

マックスのまぬままおまのレビュー・感想・評価

マックス(2019年製作の映画)
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ブリリア短編。

人権意識が高いフランスであっても、パリ郊外に行ったり、労働者階級になればそうとは言えない状況がある。自動車整備業なんて典型的な男社会であり、下ネタは飛び交うわ、更衣室はトイレと一緒だわ、客から女に修理されて俺の車は練習台にされたわ、マックスの人権が保障されることはない。保障のための環境整備も改修費はないし、熟練労働者の保守的な考えとの衝突で上手くいくことはない。

能力も正当に評価されないマックスはかわいそうな人物だ。と思う心情が、差別を温存している悪しき考えなのだと思う。彼女は物語のはじめからおわりまで毅然と存在している。「普通に」生きていることを「普通に」受け止める。マックスは「普通に」笑って、ムカついているのだから。

恋人でもない男と事業を立ち上げることを結末とするのは、あまりにも素朴で、現状の変更不可能さを物語っている気がするが、普通に受け止める。