デヒ

理由なき反抗のデヒのレビュー・感想・評価

理由なき反抗(1955年製作の映画)
4.3
母に捕まって暮らす父が情けないと思うジム。父親がもう自分を愛していないと思うジュディ。両親が自分を捨てたという事実に苦しむプラトン。人々は皆家庭に欠陥があり、その事実に苦しんでいる。彼らは帰宅しなくなり、お互いを頼りにしながら通りをうろついているばかりである。最後の場面でジムとジュディとプラトンは暗い邸宅でろうそくに寄り添ったまま話を交わしながら家族からもらえなかった情を3人の対話で満たしていくような感じがした。暖かい情と同時に、寂しさを感じた。しかし、そんなだんらんもつかの間。 プラトンは警察の銃に撃たれて死んでしまう。親友を失い、嗚咽するジムの前で変化を誓う父。しかし、すでに手遅れかもしれない。
家庭の不和が子どもたちにどのような影響を与えるのか、解決策とは何なのかに対する疑問を投げかける映画である。

なぜタイトルが『理由のない反抗』なのか。最初は無邪気なジムが警察署の場面から何の理由もなく事故を起こす姿を見て、ジムの分別のない姿が続くと思い、その姿をタイトルにしたものだと思った。しかし、映画の中のジムの家庭環境を考えてみると、どうして反抗期にあるのか悟ることになる。観客は理解しているが、人物たちの親はなぜ子供たちが反抗しているのか分かっていない。タイトルは、両親の立場から見たジムとジュディの行動を指す言葉ではないかと思う。
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