risao

ルックバックのrisaoのレビュー・感想・評価

ルックバック(2024年製作の映画)
5.0
忘れないうちに。楽しみにしてたこちら。とてもよかった。久しぶりに映画館でぼろぼろと涙が止まらなかった。

原作は当時公開されたときに読んでて、観る前に軽く見返して行って、展開分かってるのに何でこんな…と思ったけど知ってたからこそこんな泣けてしまったのだと思う。

話は原作に忠実。優しくて美しい話。
変に脚色せず、1時間にも満たない。ちゃんと必要ないところは、BGMだけが流れて無駄な音声がなく、藤本タツキ先生の絵がそのまま動く漫画!!漫画の映画化として完璧に満足してしまった。繊細で髪の毛の動きとかもめちゃめちゃ綺麗だった。

ああだったらいいのにな、の世界の中だけでも救い出して、でもそれと同時に現実はそれはできなかったという悲しみが伝わってくるの、本当に、大好きな映画ワンスアポンアタイムインハリウッドで。でもルックバックは現実の藤野ちゃんのことも救っているところまで描いているのが泣ける。突然大切なものを失う悲しさも、そんなときに自分を責めてしまうのも、それでも前を向かなきゃいけないことも分かるから。

セリフが修正されたものじゃなかったのも嬉しかった。この漫画は、2人の友情話だけではなくて、クリエイターへのリスペクトも込められてて、あの事件への鎮魂の祈りで、修正後のだと意味が変わってしまう…そして、あのリアルな情熱は漫画家さんでなきゃ描けない話だし、そこにリスペクトをもって映画化してくれた作品だった。

しんどいし刺さりすぎて何回も観れる作品じゃないけど、観れてよかった。
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