ながい

馬語のながいのレビュー・感想・評価

馬語(2023年製作の映画)
4.0
大阪アジアン映画祭にて。
主演の演技がすごい。セリフはほんのひと言だけで、あとは表情や佇まいだけの演技なのに、ちゃんと彼女に共感できて彼女は自分と同じだと思わせてくれる。本物の馬との掛け合いも、素晴らしかった。


馬は、大切なあの人のようでもあり、
あの人そのものではなくむしろあの人の思い出を壊してしまいかねないものでもあり、
心を掻き乱してくるけど、大切に抱きしめたくなるものでもあり。
でも、美しくて強いその存在は、ここには居続けない方がいいのかもしれないとも思ったり。でも、今はここにいてくれてありがとうっていう。


以下、上映後に監督にうかがった内容。

・主人公は監督自身と言える。お父様を亡くされたご経験が制作のきっかけになった。だから、監督自身も実は名無しのキャラクターとして出演している。

・主演は、台湾の有名な俳優で歌手出身。ただ、ここまで高度な演技力が求められる作品の出演はそれほどなかったようで、このキャスティングは人々を驚かせるものになったとのこと。でも、演技も上手いし馬のこともよく知ってる方で演技指導は細かく入れなくてもできてしまったらしい。

・馬は本物で、同じ動きをするように教えて演技をさせている。馬が演技を覚えたら、徐々にセットを組み立て物を増やしていって慣らし、最後に俳優が入って演じる。

・現在、馬語を基にした長編を計画中。もう少し登場人物が増えるだろう。