あ

めまいのあのレビュー・感想・評価

めまい(1958年製作の映画)
3.7
作品ごとに新しいアイデアを出してくるにも関わらず、あそこまでふくよかであらせられるヒッチコック監督は、余程いいもの食ってんだろうなと、失礼ながら勝手に想像してしまいました。

正直スコティがマデリンと恋に落ちる描写が安っぽく、最後まで肝心なスコティの行動原理がよく分からなかったので、作品としては普通のメロドラマにしか思えませんでした。

しかし、ジュディが緑色のネオンの光の中からマデリンに変わって出てくるところで、少しスコティが本当にマデリンに異常な愛情を抱いている訳が理解できるほど恐ろしさを感じたので、そこを見れただけでもよかったです。正直めまいショットよりも印象的でした。

もう少しスコティとジュディの関係性を感覚的に分かりやすく描いてくれれば、無念に死んだカルロッタの恐ろしさがさらに出ただろうなと思うと、少々惜しい気がしました。

やはり後半の秀逸さを見るに、サスペンスというよりも、「サイコ」みたいなスリラーモノとして展開した方が面白かったのではないかと思います。
あ