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めまいの映画のネタバレレビュー・内容・結末

めまい(1958年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

普通のサスペンス映画では,観客に緊張感を与える要素は「殺人犯」や「動物」など単独であることが多い.しかし,この映画では物語の中盤と終盤で緊張感を与える要素が変わる.

中盤まではヒロインに取り憑いた霊に観客は緊張する.しかし,物語終盤では,主人公が真実を知って,ヒロインを追い詰めていく.
いずれも,スクリーンの中で危機に陥るのはヒロインだが,彼女に恐怖を与えているものは異なる.
このように物語途中で恐怖を与えるものが変わることで観客は,異なる緊張感を味わうことができる.ましてや,感情移入していた主人公が凶行に及ぼうとしている場面では観客は,ヒロインの安否と共に主人公にも「思いとどまってほしい」という2重の緊張感を抱く.
こんな観客に緊張を与える方法があるんだと感心しました😊

また、最後のオチも良かったです。シスターを殺害した大富豪の妻の亡霊と勘違いして落ちてしまいました。結果的に彼女は序盤通り、亡霊によって殺されてしまいました。
それを覗き込む主人公のシーンで完全に高所恐怖症が治ったというシーン。
素晴らしいと思いました。
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