Atras

死刑台のメロディ 4K リマスター・英語版のAtrasのレビュー・感想・評価

5.0
MGSで勝利への賛歌が使われていたこともあって新宿武蔵野館で鑑賞。サッコヴァンゼッティ事件自体はアメリカの司法史の汚点という概要だけ知っていたが本作の優れたカメラワークと誰に注視したらいいかを明確に示すカメラのフォーカス。実際のサッコヴァンゼッティ死刑反対運動の映像を流すことによってサッコとヴァンゼッティ、そして彼らの周囲の人間の心情という物が表されていてとても面白かった。

1970年当時のフィルムを意図的に復元してない箇所も見受けられそれが映画としての演出の良さに繋がっている気もするので良いリマスターだと思う。モノトーンやツートーン、カラー、フィルムのだす色味を使い分けているという意味でオッペンハイマーすら凌駕すると言っても過言では無い

曲もカットだけでなく1920年代ということで禁酒法やらアルカポネやらが台頭していた当時のアメリカにおけるイタリア移民に対する差別的感情むき出しの司法や政府側の人間の醜悪さという物も俳優の優れた演技によって過不足なく描写されており、二度は見たくないが人に勧めたくなる名作。エンディングの勝利の讃歌サブスクにあるモリコーネの勝利への賛歌と比べて若干音が違う気も
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