石山裕太郎

NN4444の石山裕太郎のネタバレレビュー・内容・結末

NN4444(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「犬」☆3.7
所謂ホラー要素は一番薄い。『世にも奇妙な物語』みたいな作品。
他者と社会からの抑圧に抵抗するには犬になるしかないのか、あるいは…みたいな?

「Rat Tat Tat」☆3.0
妊娠出産を自明の役割として押し付けられること、ひいてはそういう当たり前の空気みたいなものへの恐怖か。出産という非常に動物的なことを上流の社交場で行うという発想には拍手。
途中から拍手の音がさすがにしつこくなってきてちょっと嫌だった。

「洗浄」☆4.0
ストーリー自体は至極単純だが、しかし断片的で示唆的な事象、言葉をどう掴めばいいのか困る。
映像表現の鮮やかさは4作品の中でも一番に感じられた。全体的に青みがかった暗い部屋の品の良さ。特にラストの湖へと向かうシーン、あそこの解放感は素晴らしかった。

「VOID」☆5.0
この作品のためだけに観てもいいくらい。ズバ抜けて怖い。
世界が異様なものに変質してしまう恐ろしさと、他者の理解不能性という孤独と絶望を短編映画でここまで表現できるのか!不条理としか言いようのない物語だが、しかし社会性を内面化した我々人間の根源的な恐怖、世界への不安をこれ以上ないほど表現できている。
石山裕太郎

石山裕太郎