英語字幕つきで。英題「when it rains, it pours」、ぴったりですね。
序盤、佐田啓二のデスクの一輪挿しにさも慣れた手つきでピュッとお花を挿す茉莉子。「彼女けっこうお酒強いんですよ」、そこからこんな展開になるなんてさぁ。
神戸に行った茉莉子のチャイナドレス姿の美しさよ。なんかズルズルと親や上司の言い分に負け、家族には調子のいいことを書き送る、実はしょうもない男だった佐田啓二。
茉莉子＆啓二にかき消されていたが実質的本編は沢村貞子＆山村聰なのだった。ここまでこんなにチャキチャキしてない沢村貞子見たことないわと思っているとラストでギャッとなる。子供らと同じことしてるんだけど大人の方が分別があってしまう。そして「他人の生き方を思い通りにする」ことはそんなに清潔なことなのか、桑野みゆきと佐田啓二のお母さんのやってることだって同じじゃないのかとぐねぐねした気持ちが残る。何度も通り過ぎる汽車の黒い煤。
