スギノイチ

土砂降りのスギノイチのレビュー・感想・評価

土砂降り(1957年製作の映画)
4.0
連れ込み旅館を舞台にした異形のホームドラマ。
一見したルックスはよくある松竹映画でも、一家団欒のすぐ隣では他人共のセックスが行われてるってエグい構図だ。

「泥棒でも人殺しでもいい、誰にも渡さない!」
まるで増村ヒロインの如き岡田茉莉子だが、連れ合いの佐田啓二にその根性がなかった悲劇。
ここを変奏させたのが『夜の片鱗』か。

プロレタリア映画のような始まり方をしたと思えば、ゆるめのホームドラマやメロドラマに移行、気がつけばノワールへ。
喜怒哀楽が薄く気の抜けたような、それでいて家族を想う気持ちだけで生きているような沢村貞子が見事。
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