大筋としては何が起きてるか分かりやすい俗悪なエンタメなのだけど、細かいところでどういう事か全然分からない。「分からなくてもいい」という安心感の中でとても心地よくその俗悪さに耽溺した。
頭からつま先まで全部を語るように作られた作品はちょっとでも筋が通らない部分があると「どういうこと?!?!」とノイズを強く感じてしまうが、はじめから全部を語る気がない作りの作品はただ目の前に起きていることに集中できるんだろうか。
黒沢清監督の作品はあまり観てないけれど、今自分が一番心地よく観ることができる作家かもしれないなと思った。