ツクヨミ

夕陽のガンマン 4K復元版のツクヨミのレビュー・感想・評価

4.1
悪党と二人の賞金稼ぎの攻防、そこに後悔と復讐が香るのみ。
セルジオ・レオーネ監督作品。"荒野の用心棒"とセットで上映されていた本作を見てみた。
まずオープニング、相変わらずのモリコーネのスコア.遠景でゆっくりこちらに近づいてくるような映像に痺れる。そしてあっという間に列車内→無理矢理下車させやってきたリーヴァンクリーフがまた渋かっこいい。
まあ本作は前作"荒野の用心棒"のマカロニウェスタンスタイルが継続、悪党が出所し銀行強盗をする中、二人の賞金稼ぎが悪党に立ち向かうというまたまた王道なバイオレンスアクションになっている。前作と同じくめちゃ早打ちなクリントイーストウッド.親キャラのリーヴァンクリーフ.悪党演じるジャンマリアヴォロンテの三つ巴の騙し合い合わさる攻防がダイナミックに描かれていく。
あと前作と決定的に異なるのは、上映時間が伸びたことでわりかしゆったりとしたシークエンスが増えたことか。なので間延びした印象を与えるかと思うが、どシンプルすぎて切れ味抜群な前作と比べ今作はキャラクターの過去を映像で語ることでストーリーに深みを与えたように思える。あくまで言葉では語らず香ってくる過去の後悔がまた良い味出してた、そしてラストでわかるリーヴァンクリーフが抱える復讐、今作はあくまでも彼の復讐劇だったのだとジョンフォード作品のように滲み出る男の世界が素晴らしい。
あとはなんといっても相変わらずの構図を生かしたショットの数々よ、カメラの手前に何かを配置する構図の多さはやはり良いなと言いたくなる映像美。邦題よろしく夕陽に消えていくリーヴァンクリーフに染み入る作品であった。
ツクヨミ

ツクヨミ