日下勉

祝日の日下勉のレビュー・感想・評価

祝日(2023年製作の映画)
4.5
父親が自殺、母親が宗教にのめり込み出家したために独り残されてしまった女子中学生の主人公キホが祝日で休校の校舎の屋上から飛び下りようとしたとき、彼女に「今日は日が悪い、明日は大安なので明日にしろ」と手を掴んで止めた自称天使の馬場さん(仮称)。この2人の2日間を描いた物語。
キホが自殺しようとした背景がいきなり重たいのだが、馬場さん(仮称)と2人で喫茶店に行ったり、謎のマジシャン(西村まさ彦)や何故かアフロで喪服姿の中華屋さん(芹沢興人)と会ってという、不思議でコミカルな味わいのある、富山市内だけで完結するミニロードムービーみたいな感じ。
そしてラストは、おっ、そう来たかという見事な着地。冒頭の何気なく撮された路上で風に舞うスーパーのレジ袋、これがラストでまた現れる。上手い。
監督の伊林侑香さんはまだ25歳とか。これからがとても楽しみ。
日下勉

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