コッペパン

ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストアのコッペパンのレビュー・感想・評価

4.1
2024-25
2歳で皇位に着き、清国最後の皇帝から戦争犯罪人まで没落した溥儀の生涯を描く。前段が壮大で荘厳であればあるほど切なさと物悲しさが募る

もちろん史実に完全忠実ではないようだけど、溥儀に地位を与えた国と奪った国が同一であるからこそ軋轢や反発の意思が生まれた訳で、その中でアイデンティティである「清朝の復活」を渇望して反旗を翻すのは致し方ないとさえ思う
ただアイデンティティだけじゃなく急速に変化する国家や象徴の在り方、流れ込む西洋と島国の文化でより一層混沌の時代だったんだろうなということが伝わった
大人から"そう"生きざるを得ない幼少期を与えられて、大人から"そう"生きることを奪われる人生って、本当にパンピには絶対に与えられない試練で想像もできない

時代のうねりに飲み込まれる人生をこの規模とこの解像度で見ることなんてそうそうないことだからとても充実感のある時間だった。圧倒されるばかりの160分で終えた時にはなんか凄いものを見たぞ!ていっそ爽快感があったなー

あと紫禁城行ってみたい!
『覇王別姫』も好きだったけどこの時代の清の栄枯盛衰、「栄」の部分が本当に鮮やかで華やかで創造物としてあまりにも魅力的で惹かれてしまう
私が史実に詳しかったらなといつもちょっと後悔する