【源流】
タイトルについてふと考えたことなのだけれども、「スジを追う(フォロウィング)」だけでは見えるものも見えないみたいなイジワルの意味もあるのかななんて思った。
クリストファー・ノーランの大きな特徴とされる時間軸を行き来させる展開もそうだし、映画「インセプション」の「アイデアを寄生させる(インセプション)」のコンセプトに通じるストーリーのアイデアもこの「フォロウィング」にあったのだと改めて感じる。
それに「インセプション」にも「フォロウィング」同様、”コブ”という名前の主人公が登場するし。
ロサンゼルス・タイムズ紙は「フォロウィング」について公開当時、「張り詰めた感じのする独創的なネオ・ノワール作品」だと評していて、クリストファー・ノーランの才能を感じ取っていたように思う。
更に、ニューヨーカー誌は「往年のヒチコック作品を彷彿させる」と高く評価していて、「フォロウィング」の短いが展開力のあるところに注目していたんだなと思ったりした。
(以下ネタバレ)
時間軸を行き来させ不穏な結末を予想させながら、途中どこに転換点やそのヒントがあるのか考えさせているのだ。
終盤、女がビル(若い男)に告白する場面がある。
もし、告白の内容がそのままの結末として終われば、◯野◯吾的だな〜なんて思うけれども、そこはやっぱりクリストファー・ノーランだけあって、更なる展開があるところが良い。ニューヨーカー誌は分かっていたのだ笑
70分と短い作品だけれども、目が離せないし、実は展開も簡単には読めない秀逸な作品だと思う。
好きな作品。