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マラソン マンのSIのレビュー・感想・評価

マラソン マン(1976年製作の映画)
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2021.7.5
自宅PCにて鑑賞

マラソン趣味の大学院生であるユダヤ系主人公は、久々に再会した兄が殺害される。兄がナチ残党と闘っていたことが判明、主人公は情報を持っていると勘違いされ組織に追われ拷問、恋人も敵のスパイであることが分かるも、父が自殺した拳銃で敵を殺していき一人生き延びる。

現代NYでの、ユダヤとナチの陰の攻防。スピルバーグはユダヤ系なので、ドハマリしているのかもしれない。
監督はドキュメンタリーあがりのシュレシンジャー。原作・脚本は「大統領の陰謀」のウィリアムゴールドマン。リアリズムタッチで、フィクションとは思えない仕上がりだった。
ニューヨークで走ってばかりの政治専攻のマラソンマン(主人公)。パリで命を狙われ続けるドク。二人の関係とは。ドクが運ぶブツとは。サスペンスのヒキをつくるのが秀逸。意味ありげなカットの挿入も良い。
恋人が非常にできの悪いスパイだったり、なぜ父は死んだのかなど、釈然としないところも多いが、そこもリアリズム。主人公は訳の分からぬまま敵を殺していき恋人と兄、そして父の復讐を遂げる。

冒頭はNYのストリートから。ジジイ二人で壊れかけの車で煽りあう冒頭のカーチェイス。ユダヤ。ナチ。コミカルで素晴らしい。

カメラマンはアカデミー常連らしい、コンラッド・L・ホール。
主人公と恋人のセックスカットで、夜更けに壁に映る光の二本の筋がたゆたい交わるところから始める。セックスの隠喩。素晴らしかった。

ダスティンホフマンが若くて良い。

タイトルのマラソンマンがログラインとほとんど関係ないのが面白い。
ラストカットは、マラソン用の河沿いの道を、ひとり歩く主人公。意味深ながら、1度目の鑑賞では分からずでした。
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