ノラネコの呑んで観るシネマ

好きでも嫌いなあまのじゃくのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.2
スタジオコロリドのNetflixオリジナル第二作。
相手の顔色を窺ってしまう少年・柊が、母を探して人間の世界に来た鬼の少女・ツムギとひょんなことから出会い、冒険の旅に出る。
柴山智隆は「泣きたい私は猫をかぶる」は良かったのだけど、これは残念ながら脚本のディテールがガバガバだ。
この作品の鬼はあまりにも人間と変わらな過ぎて、尖ったコブのある田舎の人にしか見えない。
鬼の隠し郷も、そもそも鬼にしか入れないなら、最初から雪で隠す必要すらないじゃん。
何よりも不味いのは、メインキャラ二人の最初の動機が弱い上に、感情がきちんと繋がってないことで、なぜそういう行動を取るのか、よく分からないところが多数。
ネトフリ作品にありがちな、企画と脚本が十分に練られないまま、制作に突入しちゃったパターンにハマってしまっている。
コロリドとネトフリの契約はあと一本あるはずだが、前作の「雨を告げる漂流団地」も脚本に問題を抱えていたし、脚本制作体制のテコ入れは急務だと思う。