マックス

室井慎次 敗れざる者のマックスのレビュー・感想・評価

室井慎次 敗れざる者(2024年製作の映画)
4.9
自分が思ってるより、俺は踊る大捜査線が好きだし、室井慎次という男が好きなんだなということが分かった。

かつて約束した、『キャリアと所轄の警察官が一緒になって事件を解決する』その青臭い約束を最後の最後まで守ろうと闘い続けた男のその後の物語。

もう、警察官を辞めて、田舎でひっそりと家庭事情に問題のある子供たちを引き取って生活をしてる姿の妙にしっくり来る感じ。

ロッキングチェアで身体を揺らしながらウイスキーを飲んで何を思ってるのだろうか。

この映画を通して、室井慎次という男の優しさや不器用な所、そして周りに変に同調せずに個として立つことの出来る強さ、それらが存分に描写されてて、ほんとに満足出来た。

キャリア組なのに、久しぶりに会う昔の人たちに慕われてる姿が本当にこの人はこんなにも人に尊敬され、愛された人だったんだなというのが分かるし、踊るの歴史も感じられる。

ただ、映画の内容として、前編がほんとにジャブでしかなく、こっから凄惨な出来事が描かれるのが分かるぐらいに室井さんを取り巻く事件の伏線がえぐい。いや、まさか日向真奈美の娘が出てくるとか思わないじゃん。まじでゾクッとするような異質感のある表情だったり、独自の倫理観を持ってそうな感じとか小泉今日子さんのあの神演技のトレースが凄い。福本莉子さん凄い。

あと子供役の子達も演技素晴らしく、特に森貴仁役の齋藤潤君は前編の山場とも言うべきシーンを見事な演技で感動させてくれた。あのシーンはそれまでのドラマの見せ方も良くタカの心情もすごく積み重なっての台詞だったりがほんとに良くてお気に入り。

後編までに踊る大捜査線を復習して万全の状態で迎えたいと思う。
マックス

マックス