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関東テキヤ一家 喧嘩火祭りのbluetokyoのレビュー・感想・評価

3.5
シリーズの中では、もっとも興味深い(自分の利用するレンタル屋は、シリーズが歯抜けだったり、永久に貸し出し中だったりする。テキヤ一家は次があるけど、ないので見れない)。前半と後半では、まったくの別物。おそらく、通して制作してもマンネリになるので、あえて前半は関係のない映画にしたのだろう。
前半は、コミカルで、ほぼトラック野郎に近い。ある意味、楽しい仕上がりになっている。後半一転して任侠映画。さらに、鈴木清順監督ばりのシュールなテイストも加わっていて、かなりいい出来だ。
秩父夜祭りのシーンが差し挟まっていて、情感を添えている。秩父夜祭り、行きたかったなあ。

簡単にあらすじ。
例によって、浅草菊水会のテキヤ、国分勝と佐貫五郎は岐阜に出張。途中で、女性たちだけの不良グループ、雀孔団と知り合う。
岐阜の矢崎組の客分になる。矢崎組から秩父の夜祭りのために梅ケ崎組へ荷物を送るわけだが、途中で、邪魔が入って、送れないらしい。
それを聞いた、国分勝と佐貫五郎は、自分たちが、秩父まで荷物を送ることを引き受ける。

邪魔をしているのは、槌田組と大薮興行。梅ケ崎組の秩父夜祭りの利権を狙っている。
雀孔団に梅ケ崎組への荷物を奪うように持ちかける。
まんまと、雀孔団はトラックごと、荷物を奪ってしまう。

ところが、雀孔団を率いる巽鋭次は、荷物を隠し、槌田組と大薮興行に取引を持ち掛ける。

槌田組は、客分の篠原卓に奪い返すよう依頼する。
一方、国分勝も雀孔団を探索。

国分勝の方が先に、荷物を奪還し、梅ケ崎組へ届ける。

だが、梅ケ崎組の女親分の滝川静江は責任を感じて、看板を下ろすことを決意。槌田組に両方、同時に看板を下ろすことを持ち掛ける。
槌田組はあっさりと応じる。

梅ケ崎組と槌田組は、同時に看板を下ろしたが、槌田組のは見せかけだけだった。

槌田組はすぐにテキヤの組合長を痛めつけて、権利書を奪った。

テキヤの集会で、秩父夜祭りの利権を要求した。だが、悪事がバレて失敗した。
槌田組は、こうなれば、実力行使しかないなとうそぶくのであった。

手始めに、梅ケ崎組の若衆を捕まえて刺し殺す。さらに、梅ケ崎組に銃撃を加え、滝川静江を射殺した。

ついに国分勝の堪忍袋の緒が切れた。槌田組と大薮興行に殴り込みを掛ける。途中で、篠原卓も加わる。
槌田組と大薮興行を全滅させる。

途中、国分勝と滝川静江が連れ立って、いろいろと話し込んでいた。戻ると、入口で、佐貫五郎が待っていた。なんでも、北海道の網走で呼ばれているので、これから出発するところらしい。
佐貫五郎が、国分勝と滝川静江を冷かすと、国分勝が、佐貫五郎の頭をはたこうとした。すると、佐貫五郎は、ひょいっと頭を下げて、かわすのだった。ここらへんが、コミカルな前半と、任侠な後半の境だろう。
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