ぱぴこ

ジョイ・ラック・クラブのぱぴこのレビュー・感想・評価

ジョイ・ラック・クラブ(1993年製作の映画)
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「移民」というワードに何かしらの引っ掛かりを持つ人には是非お薦めしたい映画だった。
親子関係、どちらかといえば母娘関係において、なんというか「カルマ」とか「因果」のようなものが感じられるのは、実は結構多くの人が経験していることではないかと思うけど、なかなか上手く言語化できないそれを、きちんと描き出してくれている映画だ。描き出すための題材が、移民たちが抱える過去の暗い歴史の中にあるから分かりやすいとはいえ、視聴者はその歴史を覗き見ることから逃れられない苦しさを、多少は強いられる。
印象的な場面は多くあったが、美容室で母と娘が打ち解けるシーンや、結局は逃れたいと思っていた存在の母に背中を押され、人生を切り開こうとするシーンには、その都度胸が熱くなった。登場人物の一人、アメリカで育った中華系2世の娘が、裕福な白人男性の恋人の母親に言った「I'm American.」の場面も印象的だった。移民たちが自身にもなんども言い聞かせてきた言葉だろう。
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