似太郎

死刑執行人もまた死すの似太郎のレビュー・感想・評価

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)
3.8
昔、ビデオでカットされていないバージョン(完全版・134分)を鑑賞したのだが、展開がフリッツ・ラングにしてはルーズでかったるく、画面も貧乏臭くて新鮮味に欠ける内容だった。

あまりにもナチスへの抵抗プロパガンダ色が強過ぎて、本来のエンタメ性が失われてしまった印象がある。これなら『シンドラーのリスト』の方が何枚も上手だと思う。

このサイトではやたら高評価みたいだが、あまりにもナチス叩きが行きすぎてフリッツ・ラングならではの「演出の外連味」というかドイツ表現主義的なコクの深い画作りが大して無かったことには大いに不満が残る。ある意味で政治映画の使命とも言える。

スパイ映画の古典として観た場合、及第点なのだがどうもシックリ来ないオチである。これならまだ娯楽に吹っ切ったゲイリー・クーパー主演『外套と短剣』の方が幾分マシかと思う。観る前に期待し過ぎて、反動でガッカリ…。

(あくまで個人的な好みなので、気にせんで下さい🙇‍♂️)
似太郎

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