死刑執行人もまた死すの作品情報・感想・評価・動画配信

「死刑執行人もまた死す」に投稿された感想・評価

これは偉業。大傑作。
戦時中は他人なんていなくなるんだな。自由奪還のため団結するチェコ市民たち。秘密警察ゲシュタポ対地下組織。熱い!熱すぎる。久し振りに全部好きな映画に出会ってしまった。

戦争映画は笑い無し、涙無し、ひたすらに悲惨さを映し出すのが一番良いと思っているのだが、(炎628のように)本作は娯楽性と映画における芸術要素を丁度良い塩梅で表現されており、戦争の悲惨さも丁寧にしっかりと描いている。また公開された年は最も重要で、観客たちは皆戦争で疲弊していたはずだ。そんな中このような娯楽性の強い反戦映画を上映したことはきっと市民の明日への生きる力になったに違いない。間違いなくフリッツ・ラングは偉業を成し遂げた!オールタイムベスト!

あと窓ガラス割れる所可愛い。
面白かったけど、ちょっと長い。

「暗黒街の弾痕」もそうだったが、画面外から聞こえる音の使い方が上手い。

中盤、クロスカッティングの応酬が凄まじい。あんまり多過ぎると映画のスピード感が削がれてしまいそうだが、むしろサスペンスを助長させている。

それと、相変わらず影がめちゃくちゃスゴい。牢屋から伸びた長い影の孤独感。
終盤、医師が分身したかの様に見える場面でも影が恐怖を煽る。
ナギサ

ナギサの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

あ〜、面白かった〜〜〜

エンスラポイド作戦の翌年に作られた映画
史実とは異なろうとも。
面会での父の言葉、処刑場に向かう詩人を送る詩。何も知らされずにいたままのヤンを含めチェコの人々の嘘の証言。
今の映画にあるような派手な演出効果では無いのに、自由を勝ち取る人たちの画がとても強い………コントラストも強く………意思も強い……………

スヴォボダ医師がハイドリヒを撃つ直接的なシーンが無かったままクライマックスに向かうのだけど、それまではマーシャを介して強く、優しく、聡明で、どちらかと言えば紳士的な印象のあったスヴォボダ医師が、グリューバー警部を追い詰める後ろ姿に。
あぁ………………本当にこの人がやったんだ………私たちが到底分からないような覚悟があるんだ…………と、泣きそうになった…。
えりこ

えりこの感想・評価

3.9
ナチスをテーマにしながら、戦時中に製作された作品という事で本当に驚きました。
ここまで芯から戦争を描き、骨太で重厚なドラマに仕立て上げられている事に感動しました。
ラストシーンの字幕には色々深く考えさせられ、余韻も大きいものがありました。
有名なフレーズなんですね…!
もう一度ゆっくりと噛み締めながら観たい一作です。恥ずかしながらフリッツ・ラングの作品をあまり観たことがないので、他にも開拓したくなりました。
なお

なおの感想・評価

3.8
ある男を匿ったことで、父を人質にとられたマーシャ。
ゲシュタポはハイドリヒ暗殺犯を捕まえるまで毎日人質を処刑していく。
マーシャも取り調べられ、ゲシュタポの探りの駆け引きが、バレそうでハラハラした。
後半はチェコ人の団結で、チャカという男が悪い方向へ向かう。
チャカが有利になったり不利になったりすんなり事が進まないところがイライラさせたり、スカッとしたり。
チャカは本当のことしか言ってないのに面白っ😆
チャカ役の俳優さん、焦るシーンが上手かった。
かたす

かたすの感想・評価

5.0
2回目の鑑賞で大好きになった作品。
内容も結末も分かっているからこそ、細かい伏線に改めて驚かされた。
事件が起きた翌年、まだ戦時中に作られた映画。そんな時代に、実際の事件を扱いつつ映画としても最高に面白いなんて…アメリカ制作とはいえ凄すぎる。
最後の【NOT THE END】の重みと圧倒的な余韻。
フリッツ・ラング監督作品。
第二次世界大戦のナチス・ドイツ占領下のチェコのプラハ。総督ラインハルト・ハイドリヒが暗殺された。ナチスはチェコの名士達を人質に取り、暗殺者が捕まるまで名士達を処刑していくが・・・という話。

戦争時のナチス対地下組織の戦い。暗い画面及び内容で重厚感がある。暗殺者をいかに逮捕させないようにしていくかということをやっていくので派手さはない。実直。終盤に向かっては劇的な結末になるように話が作られていた。

批判も込めてナチス・ドイツ側の人物をコミカルに描く。分かりやすく笑える悪役として描かれていた。
nagarebosi

nagarebosiの感想・評価

4.8
やっぱり面白い!サスペンス・スリラーの傑作だと思う!
ヒッチコック監督作も良いけど、これを観た時、ヒッチコックを越えた!と思ったほど上手い!
VHSの廉価版を昔CDショップで見かけてタイトルは知っていたけど「なんか古そうだしなぁ」と買わなかったのが悔やまれるほどだった。
レジスタンス物としても反骨精神というか反ナチ精神を貫き悲劇ではあるけど、自由を得る為に戦う姿に胸が熱くなる。
しかし何といってもサスペンス・スリラーの組み立てが抜群で最初から目が離せない。さりげなく伏線を張り、後半どんどん回収していく上手さ!特に裏切り者を罠に嵌めていく後半は見事!小道具のライター、ドイツ語、キスマークなどの使い方はただただ感心した。
映像もノワール的な強烈な陰影とシルエットでスリルを煽り、殺人の場面など直接的な描写を避けつつ一枚画で解らせる画角など最近の作品ではお目にかからない演出も最高。
同じ題材で「ハイドリヒを撃て」はリアルで辛いけどとても良い作品、本作はリアルとまではいかないけどサスペンス・スリラーとして傑作!

このレビューはネタバレを含みます

マーシャがそこまで事件に深入りする必要なかっただろうとも思うが、人の良さと、死刑執行人暗殺に賛同していた気持ちもあるのだろうか。

後半、チャカが暗殺犯に仕立てあげられる過程は、少し分かりにくい部分があったり、人物関係が分からなくなったりした。

自分の理解力の問題だろうが、それにより評価を少し下げた。
愛国者よ

心の炎を後世に渡せ

未来へ続く道を照らし続けろ

我らが死しても


フリッツ・ラング監督って傑作しか作れないの?


■エンスラポイド作戦(Operation Anthropoid)

日本語で『類人猿作戦』

類人…猿?

ウホウホ?

???

これ、成功した唯一のナチス高官暗殺計画なのだそうな。知りませんでした。この作戦を題材にした映画がいくつかあるみたいですね。

本作は「エンスラポイド作戦」を題材にして作られたフィクションです。ユダヤ人であるフリッツ・ラング監督によって描かれる圧倒的なレジスタンス。反骨の気概溢れるチェコの人々の姿に、ただただ圧倒されるばかりです。


■血の報復

お前らそれでも人の子か!!!

当時チェコのプラハを占領していたナチス・ドイツ。死刑執行人と呼ばれたラインハルト・ハインリヒ総督を暗殺した犯人を探すため、ゲシュタポは罪なき人々を次々と処刑していきます。直接的な処刑の描写が無いのが逆に怖い。たった一人の犯人を炙り出すために殺しも殺したり、最終的に1万3千人もの犠牲者を出したと言うから信じられない。

1934年、ナチスに傾倒してしまった奥さんをドイツに残してフランスに亡命し、やがてアメリカに渡ったフリッツ・ラング監督。彼の描くナチスのゲシュタポは、血も涙もない悪魔のようでした。


■モルダウ
無名の戦士だらけの映画館に流れるボヘミアの川モルダウのメロディ。この歌、中学の時の合唱コンクールで歌ったっけ。懐かしすぎる。モルダウってチェコの川だったんですね。歌詞なんて出てこないけれど、ことさらに響くふるさと納税、じゃなくってふるさとの情景。ボヘミアの川よ~♪モルダウよ~♪反撃の狼煙が静かに立ち上るのが見える…


■プラハの天文時計
15世紀から時を刻み続けているこの古い「からくり時計」は、時間だけでなく、黄道12宮と太陽と月の動きも表わす天文時計でもある。骸骨が鳴らす鐘の音がプラハの人々に語りかける。心の炎を燃やせ、未来へ続く道を照らし続けろと…


■個にして全、全にして個
人の良さそうなおばあちゃんまでもがゲシュタポの恐ろしい尋問に耐え、それでも口を割らない。

主人公は、最初、自分の家族だけが良ければいいと考えていました。しかし、周囲の人たち、名も無き戦士たちの、血を流し命を投げ出しながら戦う姿を前に、その考えは少しずつ変わっていきます。

誰もが戦っていました。まるでチェコという名の一つの生き物が、ナチスという暴力にのたうちまわりながらも、その目に宿した復讐の光を決して失わず、鋭く睨み付けているかのようでした。


■NOT THE END
最初はその裏側を見せ、やがて見えなくなっていって、最後は結果だけを見せてくるのが上手いなぁ。不気味なほど静かな怒りの断罪。復讐のラストに息を呑んだ。決して終わらない自由への戦い。命を賭して戦った名も無き戦士たちの無言の勇姿は今なお色褪せることなく観る者に訴えかけてくる。

多かれ少なかれ、どこの国にも血を流しながら勝ち取った自由があり、その屍の上に我々は立っている。そんなことを思い出させてくれる映画でした。
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