死刑執行人もまた死すの作品情報・感想・評価

「死刑執行人もまた死す」に投稿された感想・評価

1SSEI

1SSEIの感想・評価

4.5
1942年チェコ・スロバキア、プラハ。
“ナチの野獣”ことラインハルト・ハイドリヒが暗殺された

映画では度々題材にされてきたハイドリヒ暗殺を独自に膨らました作品
しかも監督は1920年代、ドイツ表現主義の旗手として知られるフリッツ・ラング。
もちろん、ドイツ人である彼がハリウッドに渡って作った後期の作品

1943年の映画なので、言わずもがな第二次世界大戦真っ只中。祖国ドイツに対してラングが叩きつける完全なるNO!
ここまで直球に反ナチスを言い切る作品は他にないかもしれません

民衆たちよ立ち上がれ!
ナチスの暴政を許すな!
逆プロパガンダとも言える主張の激しさはありますが、このご時世にこの映画を作って公開されたことを思うと凄まじいものがある。しかも、それを叩きつけるのが祖国とは…

こういったメッセージの強さもあるものの、なんといっても映画として純粋に面白い

暗殺犯を英雄のように祭り上げるが、彼を匿うことは家族を死に至らせるほどのリスクがある。だからといって見捨てていいのか?では、見捨てるとして周囲の同調圧力の中で可能なのか?着々と捜査に成果を上げていくゲシュタポ。奴らから逃げ果せることができるのか?
とにかく作中は至る所にサスペンスに満ちている

しかも、ドイツ表現主義っぽい影の使い方でナチスの不穏さ、もっといえば残虐さみまいなものが際立つ!際立ちすぎる!

そして最後にはナチのクソッタレどもに一泡吹かせる形勢逆転の一手が…!!

映像綺麗だし、とにかく面白いし、祖国への愛と怒りに満ち満ちている
面白い!文句なしに面白い!
戦時中に製作、「Not The End」に納得。勉強になるし、ちゃんと面白い。
C

Cの感想・評価

4.3
面白いなあ…
「自由は帽子や菓子のように粗末にできんのだ。自由は戦い取るものだ」
映画のエンディングで、“Not the end”とクレジットされたのはおそらくこの作品だけだと思う。

フリッツ・ラング監督による反ナチプロパガンダ映画「死刑執行人もまた死す」は、ナチス占領下のチェコを舞台に、“死刑執行人”として恐れられたラインハルト・ハイドリヒ副総督の暗殺事件を描いた作品。

脚本はジョン・ウェクスリーという人だが、原案はあの「三文オペラ」の劇作家ブレヒト。

残虐非道なナチ高官であるハイドリヒが何者かに狙撃される。

犯人逮捕に躍起になったゲシュタボは手段を選ばず、チェコの著名な人物たちを次々と拘束し、犯人が投降しなければ人質になっている彼らを処刑すると通告する。

ノボトニー教授の娘マーシャは事件当時たまたま狙撃現場近くに居合わせ、犯人らしき男スヴォボダを目撃する。
その場では追っ手のゲシュタポに嘘をついて彼を逃がした彼女だったが、父親が人質として連れ去られたことで、スヴォボダに自首するように説得する。

上映時間143分とそれなりの尺なのだが、1分たりとも目が離せないほどの緊密なサスペンスとしてよく出来ている。

とにかくナチスの恐怖描写が凄い。目撃者を尋問する時の威圧感、自分の指を一本一本引っ張ってポキポキ音を鳴らしながら追い詰めていく様なんて思わずゾーっとする。

主役であるハイドリヒ暗殺の実行犯を演じるのがどちらかというと敵役のイメージの強いブライアン・ドンレビィ。そして人質にされるノボトニー教授を名優ウォルター・ブレナンが演じている。

ウォルター・ブレナン、この人ほど巧い役者を他に見たことがない。

第1回アカデミー助演男優賞に輝き、最多受賞の計3回も獲得しただけでも、この人が如何に凄い役者かということがわかるけど、一番てっとり早くわかるのが本作と「荒野の決闘」と「赤い河」を見比べること。

絶対、同じ人が演じてるなんてわからないから!

同じ人とは思えないと言えば、本作で残虐なゲシュタポの警部を演じたアレクサンダー・グラナッハも、「ニノチカ」の3人組のひとりを演じた人とは思えないほど。

ゲシュタポのスパイとして暗躍するジーン・ロックハートも顔はいい人そうなオッチャンなんだけど見事に卑劣漢を演じていて、こちらも本当に憎たらしかったなぁ。

■映画 DATA==========================
監督:フリッツ・ラング
脚本:ジョン・ウェクスリー
製作:フリッツ・ラング/アーノルド・プレスバーガー
音楽:ハンス・アイスラー
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
公開:1943年3月23日(米)/1987年12月19日(日)
khr

khrの感想・評価

5.0
はじめからは想像もつかない展開と緻密な構成、そして美しい映画的手法の数々、最後の「NOT THE END」に心が震えた
colllina

colllinaの感想・評価

4.5
ドイツ語を勉強し始めたのだから、ドイツ人監督の映画を、とは思ったけど、
想像以上に英語でした。そんなことはおいておき。

最近、なぜかわからないけれど、戦争に関わるものを観ることが多く。

でも、戦争の話はおいといて、話として、いっていいのかわからないが、おもしろいものだった。
息の詰まりそうな雰囲気でありながらも、見事な展開は何も言えなかった。

それぞれの登場人物の特徴を絡めて、話を繋げ、人を繋げていき。
むだな説明がないのにも関わらず、1つのところででてきた人物の説明が
他のところでまた巧く交ざって。
小道具の使い方も、うまくて。
ラングの腕はもちろん、ブレヒトも参加したという脚本にはやられてしまいます。

チェコスロヴァキアの熱い人々には胸を打たれ。

彼女のついた1つの嘘から始まってしまう、チェコスロヴァキアの一人としての戦い。

結果としては何が正解だったのだろうか。
自分の善悪の置場所がわからない。
けれど、1つの決断として、民族を守ろうとした人々の話、
そして、それを描ききったラングの手腕は圧倒的だった。

このレビューはネタバレを含みます

タイトルからして面白そうだったが、観てみるとビックリするほどの大傑作。 
ヒッチコックのサスペンスを凌駕するほどの緊迫感。 
リンチ・シーン、拷問シーンなどは圧倒的であり、観ているこちらが守ってあげたくなる気持ちになる。 
ラストが「THE END」ではなく「NOT THE END」というのは、第二次世界大戦中に製作された映画であり、ナチスが存続していたからだろうか… 
凄い映画である。
1234

1234の感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

かなりおもしろいが、前半はプロパカンダが鼻について白ける ナチスの悪さも市民のカッコよさも雑い よく考えてある脚本なのに処刑ですとか言われてもなんともかんじない そうですかてなる
が、後半はレジスタンスがナチスより狡猾で盛り上がった
密偵がドイツ語ジョークに笑ってしまうとこが漫画ぽくてよかった
ラストの「NOT END」のながれがきれい
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.8
ナチスドイツ占領下のチェコスロバキアでは、「死刑執行人」の異名を持つ副総督のラインハルト・ハイドリヒの暗殺をきっかけにゲシュタポは何人もの人質をとるなど犯人逮捕に躍起になっていた。

真犯人を匿っていたマーシャ・ノヴォトニー(アンナ・リー)は、そのために自分の父親のノヴォトニー教授(ウォルター・ブレナン)が人質にとられてしまい父の命を助けるために犯人に自首を懇願するが…。


「自由とは勝ち取るものだ」
と、ノヴォトニー教授が作中に語っていたが、敵を殺した「英雄」のために何人もの命が奪われることが果たして正義なのだろうか…。

実際にあった副総督殺人事件から着想を得た映画だそうだが、こんなことが現実だったということを信じたくないほど。

一定の緊張感に苛まれる怖い(視覚的の怖さではない)映画だった。

戦争の怖さはもちろんだが、集団心理、人間が窮地に追い込まれたらどうなるかという怖さ。
abdm

abdmの感想・評価

3.0
捕まえた重罪人(ナチにとっての)を人知れぬ道まで連行しそこで拘束を解き、「お前は自由だ」と言いその人は当然のように頭の上に「?」を浮かばせつつも自由を歓喜し逃げるように走り去る。
そしてある程度離れたところからゆっくり銃口を向け背中に何発か弾を打ち込む、という処刑法は実際にあったらしい。
『アポカリプト』でもそういえばそんなシーンあったなぁ。残酷だ。
他にも本で読んだような恐ろしい出来事であったり当時の地下組織の実態を映像で観ることができ、ストーリーであったり凄演出によるサスペンスである以前に教養として楽しめた。
しかも戦時中に作られた映画だからね。
ラストのNOT(諦めない)の文字がデカデカと出てきたところでより実感が湧く。
フリッツラングがどれほどナチを憎んでいたかが十分伝わる。ナチ側の奴らがバカっぽく描かれていたのは最高だった。
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