死刑執行人もまた死すの作品情報・感想・評価

「死刑執行人もまた死す」に投稿された感想・評価

イワシ

イワシの感想・評価

4.5
再見。この映画のレジスタンスが妙に恐ろしく、『M』のギャングたちと同じように見える。裏切り者の密告者が陥る悪夢的粛清はラングのアメリカ時代のフィルム・ノワールの先触れのよう。メスを握った手術服の二人が分身したかのように刑事ににじり寄るシーンも不気味だ。
mizutama

mizutamaの感想・評価

4.1
チェコスロバキアのエンスラポイド作戦とナチスの金髪の野獣ハイドリヒの背景とか理解した上で鑑賞。
KyokaT

KyokaTの感想・評価

3.9
この年代の映画としては良いけど、色々とはいりこみずらさがある
shatoshan

shatoshanの感想・評価

4.4
ルビッチとは対照的にプロパガンダから一切の風刺を省いて最後まで敵の強かさを強調する事で、描かれる自由への闘争が一層質感あるものになっている
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〖死刑執行人もまた死す〗
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もうね、大・傑・作!

舞台はナチス・ドイツに支配されたチェコスロバキア。「死刑執行人」と恐れられた副総督ハイドリヒが暗殺され、秘密警察ゲシュタポは捜査に乗り出す。彼らは暗殺犯の逮捕に犠牲を厭わず、人質と称してなんの罪もないプラハ市民を次々と処刑し、暗殺犯を炙り出そうと躍起になる。
しかし、自由を求めるプラハ市民たちは、暗殺犯を英雄と讃え、ゲシュタポの残忍非道な尋問に耐えてゆく。

たとえば、ひとりの命のために、いくつの命が犠牲になるのかということ。

大きく遠い先の未来のために、近い未来を踏み潰さなねばならないということ。

大切な何かを得るために、人道や信念に反した行為を背負っていくということ。

重厚で突き刺さる傑作を作り上げるフリッツ・ラング。1940年代の作品でありながら、近年の社会派サスペンスにも勝るとも劣らないこの重苦しさ。
この時代にもこんな傑作撮る人がいるんですよ…

物語は、暗殺犯である医師スヴォボダと、父を人質にされ巻き込まれていく娘マーシャを中心に進む。
そのなかで描き出される辛く痛々しい現実たちが、生々しくも繊細で、芸術的で、当時の市民ひとりひとりの心情を浮き彫りにしながらドキドキハラハラさせてくれるサスペンス展開にああもうとにかく惚れ惚れする。

ヒッチコックに社会的エッセンスを加えたような。地下倉庫の話し合いや、スヴォボダの部屋にガサ入れに入るシーン、病院のロッカールームもオールドムービーらしいサスペンスの作りが随所に光ってて良い。
ヒッチコックもスパイものとか破壊者とか好んで撮っていたけど、展開重視なのでどうしてもライトになってしまう。そのぶんラングが撮るとなんとまた重いこと。

ラングの映画を観ていてふと気づいたのが、「椅子」の存在感。この映画には二種類の椅子が登場する。安っぽい木製のダイニングチェアと、ふかふかのカウチソファ。
前者が登場する拷問シーンはたいへん印象深いです、果物屋の女将の取り調べであるが、椅子に座らせて拷問するのではなくて、すぐに取れる椅子の背もたれを何度も何度も拾わせる。そして警部は、ぶしゅっと汁を飛ばしながらソーセージ食ってる(←こういう風刺が効いている)。この絵の不気味さよ。
そして、後者といえばデブのグリューバー警部がデン!と腰を下ろしている姿がふてぶてしい。スヴォボダの部屋はとくに名シーンじゃなかろうか。しかし、彼が最後に座り込むのは、というのがまたおかしな話。

単純に観てこの映画のチェコ人の心の強さに感銘を受けるが、その時代の必死さの結晶がこうなるのかと。でも難しい問題です、道徳的な。ひとりの命を守るのに多くの命が失われていいのかという。その人しだいではありますが。

結末はこの時代にはちょっと意外な感じ。必ず白黒つける勧善懲悪が多いオールドムービーにしては、皮肉で、後味悪くて、どこか悪が勝っている印象は否めない。

タイトルが素晴らしく、また、ラストのクレジットも観た人にたいへん大きな爪痕を残してくれるモノクロムービーの傑作なのでぜひコレは観てほしい。
dude

dudeの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

プラハ市民とナチスの熾烈な戦い。と見せかけて市民側が裏切り者を処分する物語だったりする。もちろんナチの暴虐がメインではあるが、もっと広い意味で大衆が、暴力が怖い。
映像もさすがのかっこよさ。
フリッツ・ラング監督の傑作!

2002年12月14日、鑑賞。

タイトルからして面白そうだったが、観てみるとビックリするほどの大傑作。

ヒッチコックのサスペンスを凌駕するほどの緊迫感。
リンチ・シーン、拷問シーンなどは圧倒的であり、観ているこちらが守ってあげたくなる気持ちになる。

ラストが「THE END」ではなく「NOT THE END」というのは、第二次世界大戦中に製作された映画であり、ナチスが存続していたからだろうか…

凄い映画である。
Mitsunoir

Mitsunoirの感想・評価

4.0
恐怖を前にただ絶望するでなく一縷の光を掴もうと、自らの自由を勝ち得るため闘う勇気、一矢報いるという意思、これでこそ人間だ。戦争というと銃撃戦やミサイル、航空機爆撃などの物的破壊が目に見えてわかりやすいし記録・記憶にも残る。しかしそこで忘れてはいけないのが恐怖による意思の支配ではないか。考え方にもよるが、死を恐れず、痛みを受け止め、抵抗する姿は素晴らしかった。

P.S. どうしても思い出してしまうのは、進撃の巨人ですね。心臓を捧げよ、この小さな反撃も人類にとっては大きな進撃だみたいな。
ゲシュタポはもちろん怖い。でもマーシャを取り囲んで、小突いたり笑いものにしたりするチェコの人たちも怖い。そんなふうな描き方をしてると思う。影の演出は好き。
ウォルター・ブレナンなんて出てた?って思って調べたら、お父さんだった。びっくり。
あやな

あやなの感想・評価

3.8
ブレヒト×ラング、夢のコラボ。陰影のある演出やプロパガンダとはいえしっかり作られた脚本は流石。
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