死刑執行人もまた死すの作品情報・感想・評価・動画配信

「死刑執行人もまた死す」に投稿された感想・評価

アメリカに亡命したフリッツ・ラング監督がハイドリヒ暗殺を題材にした作品。
危険を承知で暗殺者をかくまうプラハ市民にチェコ人の愛国心が見えた。報復シーンはさらっと出てくる程度なので悲惨さはない。プロパガンダの要素を差し引いても、監督の反ナチスの強い意志が感じられた。
戦時中に作られたフリッツ・ラングの反ナチ作。
展開は面白いが、多少テンポ感が悪いのか少し長く感じた。戦争映画が好みじゃないのもあるかも。
zoso30

zoso30の感想・評価

4.3
この作品を前回観たのが2002年だったので、17年ぶりに鑑賞。
フリッツ・ラング監督作品は傑作だらけで、「フリッツ・ラング監督作品では、どの映画が最高傑作か?」という質問されたら答えるのが難しい(笑)
この映画も、やはり、凄い映画!

物語は、第2次世界大戦中のプラハを舞台に、ナチスに追われるレジスタンスや事件に巻き込まれた一般市民の恐怖を描いたものであるが、死刑執行人の異名を持つ総督ハイドリヒの暗殺を直接描くことはしない。
実行犯がプラハ市民の中に潜んでしまって、犯人追及するゲシュタポの怖さ、しかしそのゲシュタポに屈することなく団結して闘う市民たちを描いたドラマは、市民たち目線で観ているこちらの心に響いてくる。

ドイツ占領下のプラハで“死刑執行人”と称されるナチ総督の暗殺事件が起こり、女性マーシャ(アンナ・リー)は怪しげな男を見たが、追ってきたゲシュタポには別の方向を教えた。
夜間外出した者は射殺される厳戒令の出ている夜に、マーシャが逃がした男(ブライアン・ドンレヴィ)が彼女の自宅にやって来る。マーシャも教授の父親(ウォルター・ブレナン)も「彼が暗殺者…」と勘付いているのだが、彼を一晩泊めさせる。暗殺者を匿った家族も皆殺しにされるという危険も顧みず…。
ゲシュタポは対抗措置として市民の逮捕・連行をはじめ教授も連れ去って、拷問などを行い始めた。1人の暗殺者を守りぬくか、300人もの連行された市民の命を守るか、という厳しい状況に置かれた市民。
そして、様々な駆け引きが続くのだが……。

ラストが「THE END」ではなく「NOT THE END」というのは、第二次世界大戦中の1943年に製作された映画であり、ナチス存続していたからだろうか…。

この「NOT THE END」なる終わり方は、近年の濱口竜介監督作品『永遠に君を愛す』でも見られた。

本作は、この前後に作られた『マンハント』や『恐怖省』などと共に、ナチスドイツに反対する姿勢を見せたフリッツ・ラング監督の傑作である。
orangeloop

orangeloopの感想・評価

4.0
チェコスロヴァキアのパトリオット!
地下組織で闘ったレジスタンスたちだけではなく
プラハ市民も熱いです

フリッツ・ラング監督が戦時下においてこの映画を撮った
脚本はベルトルト・ブレヒトって凄いな…

ラジオから非協力的な市民に対して弾圧を加える
と警告が流れマーシャの父親のシュテファンは
犯人が捕まるまで拘束された
何百万人もの命を救うためとはいえ400人もの
人質が自分の犠牲となることを知ったスヴォボダは
これ以上耐えられないと悩んでいる

花屋のおばさんが素朴なんだけどすっごく気高い
マーシャをじっと見つめる目が透き通ってる

祖国奪還のために市民が総掛かりで大芝居を打つ
ゲシュタポのうんざりするような執拗で残忍な追及の
裏をかく監督の意匠が凝らしているスートリー
ナチスの犬になったチャカがじわじわと
暗殺者の首謀者になっていくのが怖いですね 

心に燃える炎が
「暁の7人」とは違った形で国民意識を感じる
収容所である青年が詠った詩が良かった
「心の炎を後世に渡せその炎で未来へ続く道を照らし続けろ
 我らが死しても負けると思うな」
sobayu

sobayuの感想・評価

4.0
ハイドリヒを撃てを先に観といてよかった。史実の流れがわかるので。今作は実際の事件に着想を受けた創作とのことだけど、婚約者の名前がヤンなのとかヒロインの家族構成なんかは前述の映画と近いところが多々あり。

今の映画じゃないので拷問を直接見せたりはしないけれど、ゲシュタポの高圧的かつ粘着質な物言いや効果的な影の使い方などで察せられるように撮られていた。

二転三転してハラハラするし、名作は本当に色褪せないんだな〜とあたり前なことを思う。not…the endで痺れたけれど文字通りこれ戦中真っ只中に作られたんですね。色んな意味で驚く。面白かった。
ナチス・ドイツ占領下のチェコの統治者を暗殺した主人公。逃亡中に街で出会った女性の家で匿ってもらうが、暗殺者と関わった人物全員は処刑を余儀なくされ…

この映画の凄いところは2点あって、
1点目は実際のチェコの統治者暗殺者の翌年ほどすぐに上映したということ。
2点目は、脚色を加えながらも史実に基づいて製作された作品にも関わらず、視聴者を重い雰囲気にさせずにサスペンス仕立てで仕上げていること。
常に秘密警察とレジスタンスの頭脳戦という構図
モノクロ映画なのに、レジスタンスの革命の灯火がともる瞬間は色がついたかのようで印象的だった!
反旗を翻す激励の手紙には、現代でも通ずる名言の塊で心に響かずにはいられなかった。
ユダヤ系のフリッツ・ラングが
1943年にアメリカで制作した映画。
そういう事です。
ただ、ゲシュタポの巧妙さは有り、
非常に緊張感のある見応えのある
映画。
終わりのクレジット良いですね
orixケン

orixケンの感想・評価

4.3
脚本がうまくできていて最後までハラハラどきどき。
暗殺者を匿うことが自分や身内の死に直接関わってくるが
暗殺者の組織をあぶり出すことは国を裏切り事になるという。
主演女性の究極のなかでどう決断していくのかという心の動きも
面白かった。
まだナチスに勝利していない段階での映画でもある時代背景からも
面白かった。
ナチスの占領下にあるチェコのプラハで、チェコ国民から「死刑執行人」と異名をつけられ恐れられたラインハルド・ハイドリヒ副総督をターゲットとするレジスタンス達による暗殺計画『エンスラポイド作戦』をモチーフにした反戦映画。

反戦映画と聞くと敷居が高く感じる方もいらっしゃるかと思いますが、本作はサスペンスとしてもとても面白いです。

ナチスのやってきたことの酷さは周知の事実ですが、当時のチェコ国民のナチスに屈さずに人間として正しくあろうとする姿には、深く心を打たれました。

死刑執行直前に許された面会で、娘や家族に伝えた教授のメッセージは本当に力強いものでした。

室内の調度品など、映像の芸術性も高く、これぞフリッツ・ラングなのだなと思わせられました。
三登

三登の感想・評価

4.4
エンスラポイド作戦を描いた作品と聞いて『ハイドリヒを撃て!』を思い出した。
エンスラポイド作戦を背景にした作品でも2作品の描き方は全く違って、『死刑執行人〜』の方がまだ救いがある描き方だなと思った。
「NOT THE END(まだ終わりではない)」で終わるのがとても良い。
>|